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0013:有形の真実 [もの]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
耳の直ぐ上辺りから小さく獣の耳のように突き出た角、大きさは副角と大して変わりがなく、感度も今一なのだが代わりに触角が発達している
角の代わりでもある螺旋形を描きながらなめらかな曲線で構成された触角は、先の丸まりが非常に急で先に丸いものが付いているようにも見えるが、それを伸ばせば他の誰よりも長く微細な動きをさせることも出来る。
羽は薄く、体毛等が無い代わりに非常に大きく長距離を跳ぶ形に特化されており、先に付いた指は殆ど骨に同化して動かない。下羽と主羽の大きさは同じ程度で、内側に収納出来ない。
副指の周りに大量の毛が生えていて、外見こそはただの毛と変わらないがこれは竜人の爪でしか切れない程強靭、一種の先祖がえりだといわれている。
二本目の触手だけ長い。鰭部分全般が未発達な為、水中にいることは苦手。

竜形体:鋼竜
巨大でサンショウウオに似た平面に近い本体。牙のようにも見える口元から伸び先が丸まった巨大な角、 体をうねらせて角で砂を掘り進める為に、眼球を守りつつ視界を確保する必要があり瞼は透明。
この牙の様な角は舌や触角を兼ねた感覚器官であり、地質や地表の様子、温度や湿度を触るだけで大まかに理解出来るので、地中で物に激突するようなことはない。
背中に頭部から尾に並ぶ山脈のように甲殻をもち、これは土の中を泳ぎながら移動し、同時に砂中で飲み込んだ有機物を体内で精錬して作った一種の特殊合金であり、外見は無機物だが感覚や神経は通っている。自分の感覚で取り外すことも可能(あまり多くなりすぎると重くて前に進めなくなる)
前足は羽状に進化して無く、背中に生えた退化した羽と二対で初めて空が飛ぶことが出来る。水かきならぬ砂かきの付いた後ろ足もまた退化してしまっているが、見かけよりは強い力を持ち、砂中に一旦潜ってからの大ジャンプを見せることがある。

人形体:
空気感のあるふわふわした子供。
まだ歳相応の幼い顔立ちをしているが、見せる表情は大人その物であって、癪に障らない程度の達観した物言いがそれに拍車をかけている。
何故か産まれ付き足首や手首が細く、女性の手で一纏めに出来る程度、本人は何もしていないし普通に動く(収納部位も普通)ので、特に問題は無い
足の平が大きい。

詳細:生死時間探求者
ある夜、家族に内緒で弟達が空を飛ぶ練習をしていた。当然、落ちたり、転んだり、「お前達の年頃ではまだ飛べないんだよ」と、釘を刺して、怪我が酷くなってしまう前に止めた。大人になれば飛べるようになる、時間が経過して、体が成長して。
荒涼として見える砂漠には山の様な生き物が蠢いている、彼もまたその空々漠々たる中に住んで生きる生命の一匹、ただ一つだけ他と差があるとするなら、彼を含む彼らには『死』というものがほぼ存在しない事だろうか。と、彼は考えた。
竜人の時間には終わりが無い、ただ少し遠くへ行ってしまうことがあったとしても、『死』と呼ばれることを経験した竜人は限られる程度(少なくとも自分の生きている限りは物の話にも上がった試しがない)しかなく、こうしてちょっとしたことで死を迎える生き物達と自分達の間には、決定的な差が見て取れる。
他にも大きく喰い違った所はある、生き物達が日々切磋琢磨して食料を得ようとしているのに、自分達はそう焦らなくても特に飢える事はない。飢え死にした竜人なんて聞いたことが無く、仲間同士で睦みあっていれば満たされる。
それなら自分達は『生き物』じゃない? だから自分達には死が遠い、普通の生き物から遠いから死も遠い、それでも自分達は水を飲まないと流石に辛い。太陽の光に当たらないと辛い。自分達は「生き物」に似た何か。なら、死に物? 生きているの反対が死なら、自分達はそこに転がっていたごみむしの死体と変わらないのだろうか。でも、死体は水を飲まない。
弟達が水を飲んでいる、水を飲むのは生き物の証だ、土や岩は水を飲まない。きっとまた空を飛ぼうとしているのだろう、まだ空を飛べる歳ではないと何度言っても聞こうとしないから困る。またそっと後をつけて、怪我が酷くなる前に止めた。怪我なんて竜人にとっては大したことではないが、痛い思いをさせるのは辛い。
もしや、滞っている? 止まっているのか? 竜人は皆、生命として停止している? 生命の停止、それは進化や退化、前進を失った時。そういった生き物は遠からず、何が作用する訳でもなく消えてしまった。自分が好きだった砂漠の鳥も、ある時からめっきり減って、それきりだ。考えれば、永遠にこの場に留まる事を選ぶ竜人が現れた段階で、きっと全ては始まって終っていたのだ。
確かに竜人が変化したという話は聞いたことが無い、なら竜人もまた止まってしまうのだろうか、止まって、そのまま風化して最初から居なかったように。死にもしないのに滅んでしまうとは、一体どんな状態なのだろう、生きていない状態を経験したことがないから想像も付かないが。
一度止まった進化が蘇ることは二度とない。ある日旅人がやってきた、行動を止めてしまった自分達と旅人はいったいどう違うのかを探して、止まってしまったものを元に戻そうと思ったが、今度は家族がその旅人をその場に止めてしまった。旅人が留まってくれるといったことは一個人としては嬉しかったが、彼も止まってしまうのかと思えば悲しくなった。
膝を丸めて眠ったある夜、拙い羽音で目を覚ます、体を起こして見れば弟達が飛んでいた。そんな、まだ飛べるようになる歳ではないというのに、どうして? 聞けば、旅人の変な飛び方を真似して、何度も練習をして、やっと飛べる様になったのだという。
この瞬間、自分の中で滞っていた全ては解けたのだと自覚する。
確かに竜人はその全てを不変のものにしてしまったことと引き換えに、生きながら止まってしまった種族ともいえる。それでも、「死んだ」という状態から遠いのは、生きているから、生よりも確固として輝く、ただの獣にはない死を遠ざける決定的な「要素」を自分達はまだ持ち合わせていたから。
それは、好奇心。
自分もまた、その好奇心で知らず知らずに動いていたのだと、自覚した。

備考:
・鰓やら何やらが発達していないこととは別にカナズチ
・水苦手
・竜形体で背中の鉱石を外した姿は恥ずかしすぎて人に見せたくないらしい
・意識すれば舌足らずな喋り方を正すことは出来るが、直ぐに戻る
・年下にお兄ちゃん風を吹かせるタイプ
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