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欺瞞の頤:博識が故に狂気 [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
翼を広げるように根元から三叉に分かれた鹿の様な角、耳の形が全体的に丸いが長く下を向いており、妙に柔らかいので風が吹く度にプルプル動く。(聴覚に支障は無いらしい)耳先に産毛。
額(角と角の間)に生まれ付いて楕円型の痣があり、血液が激しく循環している時(様は興奮してる時)は赤く、それ以外の時は目立たない。
髪質は密集はしているものの一本一本が細いので、遠くから見ると(体色にもよるが)透ける、髪が。牙が鋭く、爪は薄く折れ難い(長く伸ばし続けても湾曲しない)上、伸びが速い。尾羽は無いが尾の根元に黒い羽が尾を被う程に密集、もこもこふわふわ。
精によって体色が変わる時、何故か斑になりやすい体質。

竜形体:裂竜
三つ首というある種異常とも取れる外見、胴体半ばから太く裂いたように分かれた首は、実は本物の頭ではなく前足が変化した物で、三つ首の外見で外敵をより多く威圧・警戒させる為の物。
体の割に頭(とダミーの頭)は小さめ、上顎の方が若干下顎より大きく、首(に当たる部分)から鏃形の鱗が刺の様に逆立ち、孔雀に似た飾り羽が口元から垂れている。
角は擬態をより完璧にする為に鱗とほぼ同化して短く、ダミーの頭にも角に良く似た大きく起伏した鱗が生えている。尾の先にも似た物が生えているが、此方は水中での強い推進力を得る為の鰭。
蛇腹、脇腹に浮き袋のような物が飛び出ており、羽の無い体で飛行が可能なのはその中で特殊なガスを精製することによって浮力を得ている為。
後ろ足は退化して無い。

人形体:
肌の色が何故か変化の度にランダムで、茶褐色にはならないものの、黄色→白すぎ死人色、まで幅広く『何故か』変化する。
だからといって肌質が変わる訳では無く、見た目はそれなりに綺麗だが、触ってみると意外と筋張っていて肌質はあんまりよくない。
髪の毛が遠くから見ると透けるのは此方でも同じ。

詳細:乱暴で我侭な自分
世界に自分は自分一人、しかし自分にそれは当て嵌まらない。自分という存在は三人いる、何時頃からだったかも解らない程の昔から、彼はそれを自覚し続けてきた。ふとした時に気が付く記憶の途切れ、空白の時間、だがしかし、その時間の間自分は行動をし続けているらしいのが推測の理由。
そして、『自分』が入れ替わり行動をしている時、『自分』が一度に複数人存在する事は無く、常に『自分』は『自分』一人で内部のみが入れ替わっているらしい。そして、『自分』が切り替わるタイミングは解らなく、外見的差異は無いのか家族や仲間は誰もそれに気が付く様子はない。
何もかも推測に過ぎない論理だが、彼にとっては何よりもしっくりくる、腑に落ちた物だった。だって自分は何時もおかしい、こんなに満たされているというのに、何時も何か新しい物が欲しくなる、退屈を感じてしまう。自分はおかしい。こんなこと誰にも言えない。言えばきっと嫌われてしまう。
今度の事も彼の中では「言えない事」の一つ、自分自身を複数持っているものなんて見た事が無い、旅人達の話にも、変な物を拒まれるかどうかもわからないが、獣達も異種には厳しい。突付き殺された白い鴉を見た事がある、その可能性を考える度、どうしても体の震えが止まらない。何よりも、きっと牙を向ける相手も辛い筈、そんな思いを大切な仲間にさせたくない。
自分一人の物ではない風景、自分の中でもう二人の自分はこれを見て、何を思ったのだろうか。早く自分を追い出そうと、自分の中で爪を立てている? 嫌だ、この場所は自分の物だ、誰にも渡したくない、こうして暮らし続けていたい、この退屈な毎日は自分の物だ。理由なんて無いけど、消されたくなんて無い。自分が最初に自分だった何かなのかなんて、誰にも解らないけど。
他二人を消してしまいたい、消される前に消さなければ、とりあえず自分を叩いてみた。当然痛いだけで、痛みを感じたのは自分だけ、直ぐに治った。他の二人もこうして自分を消そうと怪我をしたりするのだろうか。目覚めた時に治らない位の大きな怪我をしていたことは無いけど、何時かその日が来てしまうのだとしたら、怖い、怖い。
今日もまた幾つも記憶が抜けている、何時もの同じ退屈な日常、水を飲んだときの水の冷たさ、空を見上げた時の風の感触、誰かに盗られてしまった。こんなに大切なのに覚えていないだなんて、誰かに盗られてしまったに違いない。意識の入れ替わる境目を狙ってみたが、それはあまりにも日常的な境にしか現れず、あっという間に意識を奪われてしまう。退屈をかえせ。
そもそも、どうして自分は「二人」だと理解したのだろうか?二人だと思った理由。感心のある自分と、少し感心がある自分と、無感心な自分、外へ向う自分を含めた三人の自分はその三つに分かれているのだと、家族の話を聞いた時に知ったからだ。ならその別の誰かとコンタクトを取ってみようか、自分の中に語りかけたり、目印になる記号(別名、書き足したくなる絵)を地面に書いて、何か反応があるのを待つ。一向に反応は返ってこない。
ああ、そういえば二人は少なからず無関心なんだった、そんなに何の関心も持たずにいて辛くないだろうん、それとも辛いから無関心なのか。自分にも辛い事ぐらいはある、この退屈を感じてしまう心が何時か彼らのように無関心になってしまうこと、もう水を飲むことにも何も感じなくなって、このままでは自分は石になってしまうんじゃないだろうか。
抵抗を止めてから疑問に思う。二人の自分はどうやって自分の意識を奪っているのだろうか、殴ったり蹴ったり? でも、自分はそんなことをしたことがない。なら他の二人も同じかもしれない、こうして足を丸めて眠りにつこうとする度、知らない内入れ替わっている? 誰が本物の自分? でもそういえば、自分が無関心になったことって、あったっけ? そう、無関心になった記憶は、みんな二人が食べてしまった。 どんどん食べられる、無関心ごと、こいつらが自分を……消されたくない。消さなきゃ。
でも、こいつらも消されたくない? 自分と同じ様に? 解りながら消されてしまうのはこうして辛いけど、知らない内に消されてしまうのは悲しい、そんなの可哀想だ。こいつらが感心はともあれ、自分と同じ物として振舞うならきっと辛い、悲しい、自分が可哀想。そう考えると、知らない内に彼はその『自分』を消す事を止めた。
食われる意識は日に日に増えている気がする、具体的にいうなら、珍しい物の記憶は残っても、退屈の記憶は消えてしまう。退屈の記憶だけ与えられた別の二人はどうなる? きっと退屈だ、辛いだろう、可哀想だ。感情が二人を保護し始める、そうする内に自分はある決断に至った、他の二人も同じ事を考えているのだろうか? なら丁度良いかもしれない。
どうにかして皆を説得して、この場所を出て、もっともっと楽しいことを知ること。
そうすれば、可哀想な二人もきっと無関心なだけの何かにならずに済むのではないだろうか、そして、自分が退屈に食べられてしまうことも。他も同じ事を考えているのなら、互いに楽しい事をして、楽しい事を分け合おう。そう考えれば、きっと三分割も悪い事じゃ無い。自分が変なのなら、変なりに変に幸せになろう、同じ変な『自分』と。
退屈を感じ続けるのはあまりにも辛いのだから。壊れた自分と同じ自分達に同じ物を与えるのは、悲しい。壊れてしまった自分と同じ物に生まれてしまった彼らを、守ろう。

……その後、旅人に自分達と仲間はついて行くことになり、世界中の風景を見て回るようなってから、いや、外の世界へ出て行くと決めたその日から、自分の意識が何処かへ言ってしまうという事は何故か、無くなった。同時に、自分が自分で退屈を感じる事が増えた。
それでも自分は楽しむ事を止めない、また自分達が戻ってきた時に、退屈にだけ浸らせることがないように。

備考:
・髪が透けた時にハゲに見えるのを気にしている
・よく肘を擦り剥く所為で、傷が無くてもよく触る
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