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欺瞞の頤:博識が故に狂気 [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
翼を広げるように根元から三叉に分かれた鹿の様な角、耳の形が全体的に丸いが長く下を向いており、妙に柔らかいので風が吹く度にプルプル動く。(聴覚に支障は無いらしい)耳先に産毛。
額(角と角の間)に生まれ付いて楕円型の痣があり、血液が激しく循環している時(様は興奮してる時)は赤く、それ以外の時は目立たない。
髪質は密集はしているものの一本一本が細いので、遠くから見ると(体色にもよるが)透ける、髪が。牙が鋭く、爪は薄く折れ難い(長く伸ばし続けても湾曲しない)上、伸びが速い。尾羽は無いが尾の根元に黒い羽が尾を被う程に密集、もこもこふわふわ。
精によって体色が変わる時、何故か斑になりやすい体質。

竜形体:裂竜
三つ首というある種異常とも取れる外見、胴体半ばから太く裂いたように分かれた首は、実は本物の頭ではなく前足が変化した物で、三つ首の外見で外敵をより多く威圧・警戒させる為の物。
体の割に頭(とダミーの頭)は小さめ、上顎の方が若干下顎より大きく、首(に当たる部分)から鏃形の鱗が刺の様に逆立ち、孔雀に似た飾り羽が口元から垂れている。
角は擬態をより完璧にする為に鱗とほぼ同化して短く、ダミーの頭にも角に良く似た大きく起伏した鱗が生えている。尾の先にも似た物が生えているが、此方は水中での強い推進力を得る為の鰭。
蛇腹、脇腹に浮き袋のような物が飛び出ており、羽の無い体で飛行が可能なのはその中で特殊なガスを精製することによって浮力を得ている為。
後ろ足は退化して無い。

人形体:
肌の色が何故か変化の度にランダムで、茶褐色にはならないものの、黄色→白すぎ死人色、まで幅広く『何故か』変化する。
だからといって肌質が変わる訳では無く、見た目はそれなりに綺麗だが、触ってみると意外と筋張っていて肌質はあんまりよくない。
髪の毛が遠くから見ると透けるのは此方でも同じ。

詳細:乱暴で我侭な自分
世界に自分は自分一人、しかし自分にそれは当て嵌まらない。自分という存在は三人いる、何時頃からだったかも解らない程の昔から、彼はそれを自覚し続けてきた。ふとした時に気が付く記憶の途切れ、空白の時間、だがしかし、その時間の間自分は行動をし続けているらしいのが推測の理由。
そして、『自分』が入れ替わり行動をしている時、『自分』が一度に複数人存在する事は無く、常に『自分』は『自分』一人で内部のみが入れ替わっているらしい。そして、『自分』が切り替わるタイミングは解らなく、外見的差異は無いのか家族や仲間は誰もそれに気が付く様子はない。
何もかも推測に過ぎない論理だが、彼にとっては何よりもしっくりくる、腑に落ちた物だった。だって自分は何時もおかしい、こんなに満たされているというのに、何時も何か新しい物が欲しくなる、退屈を感じてしまう。自分はおかしい。こんなこと誰にも言えない。言えばきっと嫌われてしまう。
今度の事も彼の中では「言えない事」の一つ、自分自身を複数持っているものなんて見た事が無い、旅人達の話にも、変な物を拒まれるかどうかもわからないが、獣達も異種には厳しい。突付き殺された白い鴉を見た事がある、その可能性を考える度、どうしても体の震えが止まらない。何よりも、きっと牙を向ける相手も辛い筈、そんな思いを大切な仲間にさせたくない。
自分一人の物ではない風景、自分の中でもう二人の自分はこれを見て、何を思ったのだろうか。早く自分を追い出そうと、自分の中で爪を立てている? 嫌だ、この場所は自分の物だ、誰にも渡したくない、こうして暮らし続けていたい、この退屈な毎日は自分の物だ。理由なんて無いけど、消されたくなんて無い。自分が最初に自分だった何かなのかなんて、誰にも解らないけど。
他二人を消してしまいたい、消される前に消さなければ、とりあえず自分を叩いてみた。当然痛いだけで、痛みを感じたのは自分だけ、直ぐに治った。他の二人もこうして自分を消そうと怪我をしたりするのだろうか。目覚めた時に治らない位の大きな怪我をしていたことは無いけど、何時かその日が来てしまうのだとしたら、怖い、怖い。
今日もまた幾つも記憶が抜けている、何時もの同じ退屈な日常、水を飲んだときの水の冷たさ、空を見上げた時の風の感触、誰かに盗られてしまった。こんなに大切なのに覚えていないだなんて、誰かに盗られてしまったに違いない。意識の入れ替わる境目を狙ってみたが、それはあまりにも日常的な境にしか現れず、あっという間に意識を奪われてしまう。退屈をかえせ。
そもそも、どうして自分は「二人」だと理解したのだろうか?二人だと思った理由。感心のある自分と、少し感心がある自分と、無感心な自分、外へ向う自分を含めた三人の自分はその三つに分かれているのだと、家族の話を聞いた時に知ったからだ。ならその別の誰かとコンタクトを取ってみようか、自分の中に語りかけたり、目印になる記号(別名、書き足したくなる絵)を地面に書いて、何か反応があるのを待つ。一向に反応は返ってこない。
ああ、そういえば二人は少なからず無関心なんだった、そんなに何の関心も持たずにいて辛くないだろうん、それとも辛いから無関心なのか。自分にも辛い事ぐらいはある、この退屈を感じてしまう心が何時か彼らのように無関心になってしまうこと、もう水を飲むことにも何も感じなくなって、このままでは自分は石になってしまうんじゃないだろうか。
抵抗を止めてから疑問に思う。二人の自分はどうやって自分の意識を奪っているのだろうか、殴ったり蹴ったり? でも、自分はそんなことをしたことがない。なら他の二人も同じかもしれない、こうして足を丸めて眠りにつこうとする度、知らない内入れ替わっている? 誰が本物の自分? でもそういえば、自分が無関心になったことって、あったっけ? そう、無関心になった記憶は、みんな二人が食べてしまった。 どんどん食べられる、無関心ごと、こいつらが自分を……消されたくない。消さなきゃ。
でも、こいつらも消されたくない? 自分と同じ様に? 解りながら消されてしまうのはこうして辛いけど、知らない内に消されてしまうのは悲しい、そんなの可哀想だ。こいつらが感心はともあれ、自分と同じ物として振舞うならきっと辛い、悲しい、自分が可哀想。そう考えると、知らない内に彼はその『自分』を消す事を止めた。
食われる意識は日に日に増えている気がする、具体的にいうなら、珍しい物の記憶は残っても、退屈の記憶は消えてしまう。退屈の記憶だけ与えられた別の二人はどうなる? きっと退屈だ、辛いだろう、可哀想だ。感情が二人を保護し始める、そうする内に自分はある決断に至った、他の二人も同じ事を考えているのだろうか? なら丁度良いかもしれない。
どうにかして皆を説得して、この場所を出て、もっともっと楽しいことを知ること。
そうすれば、可哀想な二人もきっと無関心なだけの何かにならずに済むのではないだろうか、そして、自分が退屈に食べられてしまうことも。他も同じ事を考えているのなら、互いに楽しい事をして、楽しい事を分け合おう。そう考えれば、きっと三分割も悪い事じゃ無い。自分が変なのなら、変なりに変に幸せになろう、同じ変な『自分』と。
退屈を感じ続けるのはあまりにも辛いのだから。壊れた自分と同じ自分達に同じ物を与えるのは、悲しい。壊れてしまった自分と同じ物に生まれてしまった彼らを、守ろう。

……その後、旅人に自分達と仲間はついて行くことになり、世界中の風景を見て回るようなってから、いや、外の世界へ出て行くと決めたその日から、自分の意識が何処かへ言ってしまうという事は何故か、無くなった。同時に、自分が自分で退屈を感じる事が増えた。
それでも自分は楽しむ事を止めない、また自分達が戻ってきた時に、退屈にだけ浸らせることがないように。

備考:
・髪が透けた時にハゲに見えるのを気にしている
・よく肘を擦り剥く所為で、傷が無くてもよく触る

0014:奥の方まで乾く間無い程、本物の恋をしま鮮花w [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
先が大きくぺこっと折れた様に垂れた角、どうやら先に外側(根元以外は神経通ってない)が成長した所為で、芯が定まっていなくて折れてしまっているらしいが、現在も外側のみ問題無く成長している。(ので、角の割りに柔らかい)
耳が頭の真横に付いており、角度的に尖った部分が尖ってみえない。足が小さい。足首が細く、まだ何処も鱗も生え揃っていないが、鱗になるらしい毛の様な物は各所に生えており、逆撫ですると少しちくちくする。尻尾の周りが尻尾の成長より尾羽の成長が早くて兎の尻尾状態。
羽は小さいが骨が太いので将来有望らしい。触角ふさふさ。

竜形体:まだ竜になれない

人形体:まだ人になれない

詳細:蜃気楼の友達。
知っているだろうか。砂漠の砂は驚く程サラサラしていて、手に掴もうとしても指の間から次々に落ちて行く上、あまりの熱と夜の冷に黴菌一つ存在していない。よく見なければ何も無い砂を掘って時々見つかる物、これが砂漠の薔薇、砂の結晶。
自分が砂漠の薔薇を拾った時の使い道、蹴る、自分はコレを蹴るのが得意だ。勿論、力の加減をせずに力の限り蹴るだなんて、そんなマネは誰だって出来る。そんな乱暴に扱えば砕けてしまうが。自分が得意なのはこの脆い砂の結晶を砕かずにずっと蹴り続けること、まあ、様は石蹴りと同じ。
最初に見つけたのは歩いていたら足の裏に刺さった時、怒りに任せて蹴ったら簡単に砕けたのを見て、何故か残念な気持ちになった。次に見つけた時は足の裏は無事だったが、手の平に刺さった、砂漠の薔薇は自分に何か恨みでもあるのか? 血がうっすら滲んだそれを拾い上げて見ていると、どうにかしてこれで遊べはしないか、そんな気持ちがふつふつ湧いて出る。
結晶の一部を千切る、ボロボロに崩れて二つ取れてしまい、薔薇の形ではなくなった。飽きるまで弄って遊ぶ頃には、形を失いつつあったそれは、一倍最初の芯だけになっていて、これは蹴ってみてもすぐ壊れたりしない。面白くなって蹴る、もう一度蹴る、ずっと蹴った。
朝起きて気分によって食事をしたら、最後に結晶を置いていった場所へ飛んでいく。大体は埋まっているので掘り起こす。そしてまた、道なんて無いが砂の海を真っ直ぐ、結晶を蹴って進んで行く。飽きたら結晶を置いて帰る、朝になったらまたやってきて……大体はその繰り返し。二、三日放っておくと、また結晶が伸びて掘り起こす時に手に刺さるのが難だ。
その日も結晶を蹴った、蹴り転がった結晶の行く先を目で追った時、自分は驚いて後ろに半歩退く。気が付けば目の前の砂漠は無くなっていて、青々と命が溢れかえる緑色の丘と白い岩が突き立った山が広がっていて、砂の中では何の違和感も無かった砂の結晶が浮いて見える。
これが自分達が近付く事を止めた外の世界、砂の途切れた場所に立ち尽くしながら、幸い回りに同族がいないことを安堵しながら、結晶を拾おうと手を伸ばす。さっさとこの場所から逃げたかった、砂に埋もれた自分を「場違いだ」とでも罵りそうな外の世界、正直、恐ろしくてたまらない。
だが、緑の上に転がった砂の結晶にどれだけ手を伸ばしても、小さな子供の手は届かなかった。膝を付いて限界まで手を伸ばそうとしても、冷たい土に膝が擦れた時、恐ろしくなってその場から飛び退いた。気が付けば自分は逃げていた、長い遊び相手だった結晶を置き去りにして。何故かその夜は眠れなかった。

砂漠の薔薇なんてまた新しいのを探せば良い、でも、その日で結晶を蹴る遊びは止めてしまった。旅立ち、砂漠の縁に立つのはこれで二度目、この道を通る事を進言したのは自分、理由は簡単だ、あの場所には自分が置き去りにした結晶があったから。今はもう、無くなってしまっているのだろうが。
一歩、冷たい土は思っていたよりずっと硬くて、それでも自分を拒絶して砂漠へ押し戻したりはしない。今なら何故自分があの結晶を失ったことをあれだけ後悔していたか、良く解る。そう、自分はあれにいもしない友達の影を見ていたのだ、朝起きて、遊びに行って、日が暮れたら帰ってくる、そんな蜃気楼を。
予想通りに結晶は雨に溶けてしまったのだろう、残ってはいなかったが、思ったよりもずっと悲しくは無かった。自分でも、もっと泣いたりするのではないかと思っていたが、緑色の上に転がってた結晶を思い浮かべても涙が浮かんでくることはない。不思議そうな顔をして自分に振り返る旅の仲間、追いつくよう緑の上を走る。冷たい、でも悪く無い。

自分は幻想ではない友達も、家族も、仲間も出来た。
それでも自分は忘れないだろう、幻想の中で幻想を誤魔化してくれた、優しい結晶の思い出を。

備考:
・外に出てからはとりあえず土を丸められることに感動していた
・口調は罰ゲーム
・体力無くて走るの苦手
・石蹴りと石投げが得意

aaaaa:未来を目指し駆けてゆく風、この胸に吸い込んだ [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性(ヲカマではない)
両性というよりは無性別チックな薄い体、人の姿と大した変わりが無い。羽が未発達で上手く空を飛ぶことは出来ず、暖を取る程度の主羽(ふわふわぷよぷよ)が生えているだけ。(副羽は物凄く小さい)
耳は下に向って垂れる様になっていて、角は頭から垂直に伸びる様子(巻きはするだろうが)
鱗だけは何故かよく発達、具体的には薄くて下の肌が透けて見える程度だが量は物凄いことになっている。密度も半端じゃないので、逆撫でしてもあまりザラザラしていない。

竜形体:まだ竜になれない

人形体:まだ人になれない

詳細:ひねくれもの
この場所で暮らしていく上で最も大切なこと、それは与えられた幸せに疑いも持たず、ただ手の中にある物だけを享受し続けること。それだけでこの閉じられた世界は楽園になる、自分達はそう信じてきたが、世界から切り離されているというには自分達の精神は心もとない。
ああ、火を眺める誰か以外はもう眠りについている。今夜は家族の中の何人が今、みたこともない外の世界を想像で描いた夢を見ているのだろうか、自分は最初こそ同じ様に夢に戯れていたが、想像をするにはあまりに持ち合わせた情報が少なすぎて、直ぐに夢を見ることが出来なくなってしまった。
彼女は昔から誰かに与えられただけの物を愛するのはキライだった、精と同じ、そこに自分の意思が混じっていないと落ち着かない。旅人から与えられただけの情報で夢を作れなくなったのは性格も起因していたのだろう、今日も一人で夢を見ない眠りの中に沈む。それとも、夢を愛でる程心がまだ成長していなかったのかもしれないが。
自分達は近い内にこの大砂漠を出て行ってしまう、別れた両親にそれを伝えるのかも解らないが、こんなに皆外の世界を望んでいるのだから、出て行かない道理が無い。きっと理由が無く、自分の様に外へ大した興味が無いとしても、抱き締めようと手を伸ばした時、自分の肩を抱く事しか出来ない孤独に慣れずに付いて行くのだろう。
朝方ケンカをしたニヤニヤ野郎が連れてきた旅人達、ほんの赤子から大人まで沢山来た、きっとこいつらが自分達を外へ連れ出す。直感で解る、これは能力というよりは女の勘というやつだ。もしくは確信、今まで来たどの旅人よりも面白そうな、別れ別れになった両親の面影(というより、要素)を持っているのだから、興味を持たない訳が無い。
案の定、兄弟達は三者三様の理由で彼らの持って来た外の風に惹かれて行く、砂漠に漂っていた砂煙に打ち払われて、代わりに冷たい風が吹き込んだ気がした。しかし、自分は未だに自分が自分の意思で決めた理由というものを、頭が割れるほど悩んでも思い浮かばない。
肝心なのは「自分は一体どっち」だ、ということ。意味も解らずに人に付いて行くだなんて、自分のプライドが許しちゃくれない。他人が知らなくても自分が覚えている限りはそれは一生自分を苛み続ける。漠然とした自覚だけがそこにはあった、彼女の勘は良く当たる、彼女自身もそれを自覚している。
暫く前から生活を共にしているこの人は、自分達に半ば強制的にこの場所にいることを命じられて、それ以来ずっとこの場所に留まっている。自分の判断ではない理由で未来を決められた気分はどうなのだろう。知っているとも、こんなことで一々悩むのは自分だけで、周りはプライドなんか然程気にしていない。ムカついたから手を伸ばして頬を抓ってやる。
音頭をとる人間が増えてから歌も踊りも格段に楽しくなった、頭に手を乗せられて無造作に撫でられると、自分が周りで笑い合っている小さな子供に戻ってしまう気分になれる。自分は惹かれていた、自分の物ではない理由でこの場所に、いっそのこと一生この時間が続けば良い。そう心の中で何度も唱えた。それでも夜は明ける。
自分が今までの人生全てを掛けて作った世界は、彼女によっていとも簡単に新しい色に塗り替えられて、少なくとそれが不愉快ではなく、寧ろ彼女の見せる色をもっともっと見ていたいと思ってしまう。それでも、自分の足で立って歩けなくなってしまう、プライドは捨てられない。自分はこのままではこの砂漠に一人残ってしまう。
最後の夜明けが来た時、自分は喉の何処から出たのかも解らないへんてこな声を上げて卒倒した、悩んでも、悩んでも、答えは何も見つからなかった。こんな時、どんな声をあげれば良いのか、それすら自分は知らなかった。誰もが寝静まった時間だったから、誰にも聞かれることはなかっただろうけど。
荷物なんて無い、旅立つ背中が小さくなる、また何処から出たか解らない声が喉を付いて出そうになって、自分の喉を力一杯抓った。痛い、傷の痛みはみるみる引いて行ったが、それでも喉を抓らずに入られなくて、目を瞑って背中から必死に目を逸らす。自分をこれ以上苛まないでくれ。
ふいに体が軽くなって、誰かに抱えられていることに気が付いた。羽ばたきの音は自分の物とは比べ物にならない速力で、目を背けていた背をあっという間に飛び越し、目の前には黄土色の砂の海が広がった。
暫く経って、旅人は回りに軽くたしなめを受けながら群れに戻り、自分は悪態を吐き、周りは皆笑っていた。自分の暮らしていたオアシスは、もう蜃気楼としても見えない。このまま戻ったとしても、子供の足では戻るまでに半日は掛かるんじゃないだろうか。
ひねくれた気分になる前に、そっと小さな声で言った。伝わらなかったなら相手が悪い。

ありがとう。

備考:
・勘が良い(女の勘的な意味で)
・蜘蛛嫌い(女性の手の平二つ分ぐらいの大きさのに顔面に張り付かれたことがあるから)
・蜥蜴好き(目から血を出すやつとか最愛)
・食べられる草と食べられないキノコの見分けが上手い
・実は動物に好かれる体質

貫の頤:自分っっっっ、オン・ステェェェェェェェェェェーーーーーーーーーーーーーージッッッ!!!!! [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
身を軽くすることに特化しているが、全体的に骨は太く、代わりに上羽の厚さは薄く下羽もまた小さく纏まっている。飛翔より跳躍に特化、体重は見掛けよりは軽い。
細かな動きをする尾は枝に巻きつける事も可能で、中々の長さを持ち、衝撃から防護する理由で皮膚が柔らかく弾力がある。伸縮時の断裂を防ぐ為、鱗と鱗の隔離は大きめ。
羽先に付いている小さな指、これの力が無意味に高い。指で握るというよりは立派な握力と化しており、これもまた彼が木上で生活するのに一役買っている。
親指から突き出る爪は硬度を持ちながら柔らかく、折れ難い。

竜形体:猫竜
羽が両腕と同化しており、飛行に必要な皮膜等は退化しているが引き換えに四脚歩行のための骨格を持ち、しなやかな身のこなしが可能。原型と同じく体重は軽く、前脚を軸に、高速で旋回といった動作も可能。
目の上に副角の名残かと思われる軟骨が突き出て、鱗が変化したと思われる剛毛が全身に巡ったシルエットは猫科の猛獣を思わせるが、強靭に発達した顎を有した頭部は、遥か昔に存在した肉食恐竜に似通った点を多く持つ。
喉の下に(全長から考えれば)小さな袋が生えているが、これは体外に露出した声帯の一部で、これを大きく膨らませて鳴らすことでショック死レベルの轟音を鳴らす。
飛行の際には大きく助走を付ける必要がある。

人形体:
非常に肉付きが良く、全体のバランスから考えると微妙に下半身部分がむちむちしており、ふとましい。(実際は太っている訳では無いが)
日に良く焼けた肌は健康的だが、人形体で付いた隈や痣が消え難い体質(回復能力が低い訳では無いのに)で、一度付けたキスマークが何日も消えていなかったりする時がある。

詳細:享楽を愛する
砂漠とは完璧な生態系の姿、彼が好んで登る木は熱砂に煽られて倒れない様、枝ぶりこそはそう立派ではないが、隣に生えた木と手を繋ぐ様にして枝と枝を絡ませ強い。そんなことなんてどうでもいい彼にとっては、これは格好のハンモックだ。
毎日何をしても良い、彼らに与えられたルールは子供にはまるで夢の様な話で、まあ、人の迷惑になるような事は控えた方が良いのだろうが。彼もまたそれに忠実に従うと、知らない内に木に登るのは好きになっていた。
木の上は良い、何の木でも(あの水辺から離れた所に生えてるやたらと棘だらけのは別)心から楽しいと実感できる場所で、特に深い枝葉の間に隠された空間なんて見つけると嬉しい、自分で作るのも良いが自然に出来た物だから良い。
他の家族も木に登ってくることはあるが、自分と同じ場所にやって来たことはない、こんなに良い物だというのに、どうして誰もそれが解らないのだろうか? 今日も皆で木に登って遊んだが、誰も此処へは来ない。
また次の日もするする木の上のお気に入りの場所に登って、誰かがやって来るのをジッと待つ、今日こそは誰か解ってくれるだろう。しかし、待てども待てども誰かがやってくることはない。飽きて降りる、また登った時に誰かが居た様子は無い。
ある日、子供を沢山連れた旅人をきょうだいの一人が連れてきて、彼らは暫くの間この場所に滞在することになった。彼らの中から木の上の良さを理解してくれる誰かはいるだろうか。ここぞとばかりに遊んで、何時もの時間になったらまた木に登る、あ、鱗雲だ。
二日が経過して、まだ旅人達は滞在するらしいが誰もやって来る気配は無い……かりかり、木の根元付近から小さく弱いものが幹を引っ掻く、そんな音がして目を向ける。子供、それもとても小さな。小さな眼が自分の眼とかち会う。
どうしたの? 小さな頭が限界まで上を向いて、羽の無い背中が上下する。木の登り方知らないの。小さな手には立派な竜人の骨が突き出ているが、方法を知らない手は虚しく幹を引っ掻くだけで、砂に殴られすぎた皮は傷一つ負ってはいない。
登りたがる小さな子の下へ降り立つ、そして木の登り方を教える。日が暮れる頃には1/4位は登れるようになって、明日は半分だ、と笑いあった。
この調子なら近くあの場所へのあの子達は来る、自分が一人で雲を見る毎日は終わる。なんて楽しみなんだろうか。
ああ、そうだ、そういえば。
自分はお気に入りの場所のことを誰にも話していなかった。
恥ずかしすぎてとても誰にもいえないが。

備考:
・旅立ってからはやたらと薀蓄を垂れるようになる
・カッコマンなので子供にはやたらと好かれる
・尻尾の動き(物に巻きつく)を「猿」と言われると怒る

針の頤:そう気付かれぬように牙を突き立てろ [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
角の形は外に向ってバネ仕掛けの様に飛び出て、通常よりも大き目の耳が特徴。全体的に部位が外向き(外開き)に生えており、シルエットが実際の身長よりも大きく見える。
触角・触手の細部(繊毛等)が他より太めで、触った感触も見かけによらず非常に硬い。触覚は乗せればフォーク程度の重量を手で感じる事が出来る。
尾は短めだがよく動き、年齢的には骨の塊に近いというのに骨と骨の間が伸びるらしく、常に流線型を描きよく動く。
雨が降っている時等、背面の鱗が大きく逆立つ時がある。

竜形体:岩竜
ほぼ全身が強固で耐熱性に優れた甲殻に守られており、小さく変化した羽は体を包み込む様に形を変え、凹凸の激しい外見はまるでその巨体もあって一つの岩山の様な形をしている。
その甲殻の頑丈さは正に鉱物以上、体内に篭った熱を代謝せずにいれば、岩山の体は途端に火山の様に燃え上がり火砕流の如き熱線を発することも可能で、非常に危険。その威力は地形を変えてしまう程。
しかし、その体表内にて地中のバクテリアを取り込み、体内に飼い、それに代謝を手伝わせるのでそのような危険に至った事は無い。(らしい)当然、このバクテリアを栄養に変換する事も可能。(腹の足しにもならないが)
見かけの通りに動きは非常に遅い。一応なりとも飛べるが、この羽は時に弾丸の如く飛び交う熱砂から身を守る為の物であって、体重によって長時間の飛行は不可能。

人形体:
見る人間に柔和な印象を与える中性的な外見、表情を作る(無意識でも)のが上手く、非常に細かな表情で感情を表現する事が得意。
関節部分の可動を感じさせない滑らかな動きは、まるで普段から舞踏を踊っている様。

詳細:正気な人
世界に常に二つ存在する砂の双子、大砂漠は百年単位で引き潮の様に跡形も無く消えては、また何事も無かったかのように星の何処かに現れ、優れた生態系の形を描く砂漠の形へと誰が指示する訳でもなく変化する。
この話は古くから旅をしているという旅人から聞いた話で、砂漠からずっと外に出た事が無い自分達にとっては耳新しく、知識欲を擽ってくれる。割ると中に果汁がたっぷり詰まっている果実を割る彼も、その汁より甘い外への誘いに夢中になる一人だった。
自分は人の世話をする事が大好きだ、誰に言われるでもなく、心から自覚して誇りに思っている。自分が甲斐甲斐しく走り回る様子を見て、自分の事を知らない旅人は、「そこまで気負いしなくてもいい」、そう困った様に笑う。自分は柔和な笑顔を返す。
歌い踊って心の通じた旅人が大砂漠から足を外す時、自分を外の世界へと誘う声が頭に響く、自分はそれを柔和な笑顔で断る。残念そうだが言い方は其々、「また来る」という言葉を残して旅立っていく旅人。
昇る朝日に向う背中、これが何時も愛する自分の世界、自分が人の世話を愛する理由。時に朝焼けに染まった地平線に歩む様子は、この見送りの場所から見ればまるで空の上を歩く様で、今日と明日の境界を垣間見る姿。
そしてまた、この場所にいるのは家族だけになる、家族だけになっても自分がする事は変わり無い、心を篭めて奉仕するだけ。それだけで自分は満足出来る、例えこの時が永遠の物ではないと知っていても、今のこの瞬間だけ幸福に高まれば明日の目覚めさえもいらない。
何時かは家族達も旅立っていくのだろう、理由は何か、きっと誰か付いて行きたい旅人が来るか、見つけるべき物を探しに行くだとか、それとも、ただ何と無く……そして見送る背は、自分が今まで見たどの朝日よりも綺麗、いや、美しいのだろう。
ふと、立ち止まって考える。自分の旅立ちの時、自分の背は美しいだろうか。
そんな事はありえない、自分はこの砂漠で一生過ごす、誰が旅立って行こうとも、この場所を守って待つ。そして背を見送るのだ。

久しぶりの客人、こんなに砂漠が安定した季節に渡し守を頼まれるだなんて珍しい。

彼の背は美しかったか?
それを知るのは彼を育てた金の砂海のみ。

備考:
・暑さ寒さに異常に強い(最早鈍感レベル)
・あまりにも気が効き過ぎて(超過保護)時々うざったぁしい
・考えている時に角を触る癖がある
・尻尾は敏感

羅刹娑の頤:サガ [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
・耳の数は一対
何故だか解らないが全身の体毛という体毛が物凄い事になっている。鱗があるべき場所にはもうもうと体毛が生え、毛とは鱗が変化した物とされているが、成長過程を誤ったのか。
半面毛になりきれていない鱗部分が未発達で、まるで産まれたばかりの赤子の様に薄く脆い鱗をしており、皮膚がかなり柔らかい。ぷにぷに。触角もさもさ。
まだ短いが、野牛の様な後方に曲がって伸びる角
尻尾の先が少しだけ丸い

竜形体:獣竜
原型と同じ形をした角は一対増え、大きく冠の様に伸びている。想像をするなら翼を持つライオン。
下顎の犬歯が大きく発達し、口内のみには収まらずに常に露出、後頭部から首の付け根にかけて炎の様にうねる鬣が発達する。
手足には長く鋭い爪が生え、これは猫科に近くも見える外見と違って収納不可。砂漠の砂の強い熱を通さない為、足の裏に肉球。
尾の先には硬い骨の塊が付いており、内部の骨をバキバキと鳴らすことで威嚇音を出す。

人形体:
・本設定と対して変わらず
褐色の肌に幼さの残る体型、手足から余計な毛が失せているので、体感普段の半分位の大きさに見える。体重も勿論かなり軽くなる。
しかし犬歯というには鋭い牙と爪は健在、どうしても仕舞えないらしい。

詳細:野生の人
最初に「此処から出なくても平気だ」、そんな事を言い出したのは誰だったのだろう。自分はこの一族の中で一番の年長という訳では無いから、全ての歴史を知っている訳では無いが、少なくとも自分が生まれてからは一度も誰もそんなことを口にしていない。
生まれて生きることはとても大切な事だ、それは誰だってよーく解っている、それでも一々そんなことを考える輩はいないだろう。彼もまたその一人、広い砂漠地帯で一番先の尖った岩山に立って、日がな一日流砂の流れを観察し続けるだけ。
動物は自分が生きている領域以外に興味が無い、日が沈んでまた昇ることは明日が来たということではなく、長い時間が経ったというそれだけのこと。平たい岩の上で感じる朝日も、彼にとってはそんな事、彼にとっての時間は長い長い一日の一部でしかなかった。
誰かが言った、「人の始まりはある獣が『あの山の向こうには何があるのだろう』、そう思った時から始まった」彼にとっては思う事すらない、自分はそこで生きて死ぬ、それを哀れむ何者かもいない。彼等にとって、長く沈まない日はあたりまえのことで、最初から全ては用意されていたのだから。
有り様を哀れまれたこともあった、退屈な生き方だと、発見の無い一生に何の意味があるのか、と。言われたことその物ごと忘れた、興味が無い、理解の出来ない物を一々覚えていても仕方が無いだろう。
一緒に住んでいた一族が旅に出ると言って、少しばかり期待薄に自分に手を伸ばしてきた時、彼は迷わずに手を取る。皆以外がった、それもその筈だろう、あれだけ外の世界に興味の欠片も持っちゃ居なかった、それは上発端である旅人と接触しても何も代わっては居なかった。
旅を続ける今も変わらない、周りから興味という物を持ち始めた、そう言われても実は変わっていない。
彼にとって世界とは、彼自身が生きるべき場所の事を指すのであって、自分が望むなら例えどんな場所でも受け入れる、最初に欲しかった答えがどうしても思い出せなかったその日から、そうずっと心に思っていたのだから。
あるがままの大地、あるがままの姿で。

備考:
・ほぼカナズチ
・トウガラシをそのまま齧れる、好物
・水浴びは他人に洗ってもらう分には好きだが、自分でするのは嫌い
・毛は見かけによらず通気性が良いので、暑さにも強い

ロリコン:土の下に眠る人の子よ [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
歳若いからか竜人にしては尾も羽も薄く、鱗は丸く薄い為、どちらかといえば弱い。
対して鰓と鰭の発達が目を見張り、鰭に至ってはまるで長い帯の様に発達している為、殆どの栄養は此処に行っているのではないかと言われているが、本人は否定している。
尾羽の本数は四本。耳の先が妙に余っており、先が弛んでいる。

竜形体:魚竜
胴体は普通の竜と大した変わりが無いが、首と尾が異様に長く、羽の形は飛行は可能だが原型と同じく鰭と呼ぶべき物。首付近には角が退化した名残で、ひだ状に逆立った鱗がある。
体表には薄い防護膜として常に体液が染み、水中でそれはレースのようなひだ状に固形化させることが可能で、体表以外の周辺にいたる空気のろ過が出来る。
背中から六対づつ生えた渦状の呼吸器官は、水中・空中で体外に出したまま内で畳むことができ、水圧や空気抵抗を極限まで減らすことが可能。

人形体:
・蔓は無い
・本設定と特に変わり無し

詳細:ある意味物語の始まり、不治の病気に掛かった竜人。
生まれてから長い間砂漠に残って暮らし続けた一族、彼もまた同じ様に欲をあまりにも持たなかったが為にそのような暮らしをしていたが、彼は薄ぼんやりと他の家族がしないことをずっとしていた。
それが一体何なのかは本人も解らない。ただ少し、それは平面にも見える地平線の彼方を見た時であったり、大オアシスにある水中の横穴を見た時であったり、その薄ぼんやりとした感情は解決するどころか徐々に強い物となって行く。
幸福な家族との日々、自分と同じ病を患っていそうな奴は誰も居ない、なら誰にも話したくない。獣が傷を癒す為にやって来る場所に生えている草を食べる、体中に貼って、すり潰して体に擦り付ける。兄弟が寄って来て、何をしているのか、とケラケラ笑った。
日増しに強くなる感情、ほんの一瞬だけ良くなる時は、砂漠を渡ろうとする仲間の砂漠渡りを手伝っている時だけ。自分は病気にでもなってしまったのだろうか、竜人が病気? 馬鹿げている、そう思ったその日も広い地平線に眠る夕日を見て薄ぼんやりしたアレを感じるのだ。
いや、解らないのではない、思い出せていないだけ。ある日やってきた旅人達の相手をしながら、彼はそんな事を思い出す、彼が夢想し続けた物は砂漠の砂に埋もれた外の香り、土と草と瑞々しい命に溢れたそんな物。
今まで見た誰よりも美しい旅人、腹の底に響く生まれて初めての欲望。欲しい、なら付いて行ってしまえ、この逞しい体に喰らい付いて。馬鹿な、連れて行ってもらえる訳が無い、ほら見ろ、自分の場所は何も揺らいじゃいないじゃないか。違う、これはあいつが自分を連れて行こうとしていないんじゃない、竦んでいるのは、自分の足の方だ。

恐怖、得ることと引き換えに失うことを怖れる感情。
この物語は、竜人が遠く忘れた痛みを持ったまま生まれた彼が、竦む足をそのままに手を伸ばした日から始まった。

備考:
・テレパシーを使うのに少々難があり、全くの無意識で能力を仕様した場合相手が至近距離に居すぎると、自分の心の中まで相手に覗かせてまう
・自分の持つ感情から常に瞳の色だけは変わらない
・子供相手じゃなくても勃つが子供が好き(性的な意味で)
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