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モンスター四人組:愛だよ、愛 [頤]

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『忘我の頤』

所属:異端審問官
・偵察部隊指揮官
・書記

種族:人間

外見の差異:
・両性
・羽無し、人間耳

詳細:指揮官という立場でありながら偵察部隊で最も立場があるという訳では無い妙な立場、分相応を弁える
妄想、幻想、想像、そういった物は心根の純粋な子供によく姿を現すもので、姿を現した幻想達と子供達は仲が良い、それはどんな生まれを持つ子供であろうとも変わらが、彼もまた幻想を深く愛する子供の一人だった。物心付く前から両親の顔は見た事が無く、多額の養育費と欲しい物はなんでも与えらた辺り、一応その存在は確認出来ていたが、彼は自分の血縁者というのが自分に興味を持ってなんとなくやってきた参謀長位しか無く、柔らかいが温もりの無いベッドで毎夜毎夜、英雄という名の殺人鬼や悪魔の話ばかり乳母聞かされて育つ。
孤独な子供が幻想を夢見るのは必然だった、彼は何時しか自分の心の中にだけ存在する物と会話を始め、それは最初はちょっとした物音に対してだったり、蝋燭の影がゆらいだのを見てだったり、それ全てに対して自分の家族であるかの様に話し掛けていった。自分に興味のある人間はこの屋敷には誰も居ない、子供らしい奇行として誰もがその事を気にしようとも思わなかった。だが、彼がそういった気の所為に挨拶をし、鏡の自分と会話をする様になってから、屋敷内で不可解な現象が起こるようなる。ひとりでに動き出す人形、勝手に音を鳴らす楽器、人間の物とは思えない湿った足音。
一人、また一人とそれに怯えた召使達は屋敷を去り、遂にまだ自分が赤子の頃から自分に話を聞かせていた乳母が屋敷を出て行って、彼は独りぼっちとなってしまった。両親は多忙、というよりは子供などに興味は無く、金や物を送りはしたが離れの使用人が何人止めたかなんて気にも止めず、彼の周りにある物は人間ではなく沢山の物だけになった。食料を調理して食べる方法は知らない、孤独を紛らわせる方法をしらない、高すぎる位置にあるノブは背伸びしても届かず、外へ出て行くことすら出来ない。広すぎる牢獄は閉じ込められた子供は、そのままたった一人で目を瞑る、何も怖い事は無い、と。
それから二年後、古い一族は絶え果て末裔のみが一族を名乗っていた頃、最早空家となった筈の屋敷に未だに人間が住んでいるという話を聞きつけ、どうせ不届きな浮浪者が住み着いたか、と使者を寄越した所……何の力も無い筈の子供は生きていた、それも毎日豪華な食事を摂り、上等な衣服に身を包んで。ただし、その心はまるで長く長く生きてもう直ぐ生涯を終えようとする老人の様であり、屋敷に連れ帰って事情を聞いた所で閉じ込められていた二年間の空白、彼は彼の『家族』と共に暮らしていたのだと、そう言う。彼は広すぎる牢獄の中で80年間の夢を見ていたのだ。
屋敷にやって来てから『彼の家族』が彼を迎えに来る事は無かったが、彼は優れた情報集積能力を持ち、立場上は偵察部隊指揮官という最高位の地位を手に入れたが、実務は完全に新しい家族の一人に丸投げして権力もくれてやってしまった。ただ静かに暮らせればいい、自分と、自分の家族と、自分と仲の良い一握りの人間と、ただ、静かに。

備考:
・どうやって生存していたかは不明
・指揮官としての実権全てを明渡してしまった為、彼自身は指揮官、という名のヒラに過ぎない
・彼が感情の昂ぶりを覚えると不可解な現象が起こる



『酔生夢死の頤』

所属:異端審問官
・囮

種族:人間

外見の差異:
・両性
・目、耳は人間仕様
・羽無し

・火傷の範囲が狭い、腹を焼かれる程度

詳細:狡猾で怠け者な駄目人間、強欲、アル中スレスレに見えて案外そうでもなく、自分を廃人に演出する程度にまともでもない
子供という立場というのはかくも面倒臭いもので、親が偉ければ偉いほど自分も偉くなれる代わりに、親の勝手で自分の将来の髪型まで決められてしまうのだから面倒臭い。彼女は小さな頃からそう思っていた、何もかもを自由に出来る自由よりも、自分が将来住んでいた屋敷の大部分の人間と同じ様な意味も無い南米国と共産主義者の悪口ばかり吐くだけの人間となる事が、自分の今の自由の楽しさから比べるとあまりにも無意味に思えて仕方が無く、また嘆かわしくて仕方が無いのだ。だからといって何か出来る訳でも無し、自分は子供、一族内では子供が大人を殺すだなんて日常茶飯事だったが、彼女には関係無い事。
そんなある日、彼女が気に入っていた服を詰めた赤いクローゼット、それが一夜にして青く無機的な物に変わり、中を開けてもお気に入りだったピンクや黄色のスカート達は青く飾り気の無い、味気無い青になっていた。昨日まで彼女を「お嬢様」と呼んでいた使用人達も「お坊ちゃま」と自分を呼ぶ。昨日までリードされる側だったダンスレッスンもリードする側に、何があった、聞いた話では父親が不能になったとか。『彼女』はたった一晩で『彼』になるべく親の勝手で育て方を変えられた。これには流石に彼女も呆れたが、何時の間にか慣れて、何時の間にか彼女は彼になっていた。
数年が経過して自分の性別にもすっかり慣れ、人殺しにも慣れた、というより楽しみ方を解った頃、彼はちょっとした凡ミスから敵の攻撃を受けてしまう。マスクを被った男が自分にぶち撒いたものは酸だった、素人が考えそうなカッコだけの大振りで面倒な攻撃、相手をぶち殺したまではよかったが酸の噴射が止まらない、それに気が付く事が出来なかった彼は腹に酸を浴びせ掛けられ、死にはしないが地獄の苦しみと一生消えない傷痕を負う事になってしまった。傷は治る、傷痕なんてものを気にする感傷なんて持っては居ない、だが、自分の命が危険に曝される事のなんと面倒な事か、死にたくは無い、そこまで自由にさせてたまるものか。
以来彼は凡人以下の廃人として、日がな毎日酒をかっくらい遊び惚け金を食いつぶし、何時の間にか彼を縛る全ての物は彼から自然と遠ざかっていた。なんだ、なんと簡単な事か、自由は自由であれば得る事が出来るものなのか、自分はもう自分の生を一歩も譲りはしない、全て自分で決めて自分として全てを選び、生きて、生きて、生きまくって、生き抜いて見せようじゃないか。それから戦う理由なんて作ればいい、自分で決めた理由なら、どれだけ苦しかろうが道程死んでしまおうが最後の最後まで貫き通す事が出来る筈。彼はそう誓って、自分の腹の傷を撫でる。
その後、現在の彼が自分の生きたい生き様として職務をこなし、家族と一つ屋根の下で暮らしているのか、それらの答えはきっと彼だけが知っている。

備考:
・囮役を買って出たのは逃げながらの戦闘が得意な為、相手は追う分だけ体力を消耗するので、逃げる側の方が有利
・爆発物の扱いが上手く、主に中距離・設置として使用
・両性ながらベースの人格は女、その上から男、ややこしい



『破裂の頤』

所属:異端審問官
・前線部隊部隊長
・食料品管理

種族:人間

外見の差異:
・両性
・腕の数は一対
・耳は人間耳

詳細:一族きっての伊達男、面倒見が良く慕われるリーダー
出生はとある小さく濃すぎる血によってまともな子供が産まれる事が無くなり、それどころか子供すら産まれなくなって滅びかけた一派、全権を任されていた参謀長と実の母との禁断の恋の末に産まれた彼は、まるで父親を生き写したかのような奔放さと横暴さで傲慢に我を通して育つ。最早血の絶えかけた、とはいえそれだけ血統の濃い一派だけあって、純血主義の一族の中では権限は相当な物、他に兄弟はいない、子供すらいない、恐らくはその血を継ぐ者として、彼は何だって許されていた。彼も許された立場を心から謳歌していた。
そこまで何もかもが許された環境の中で、破壊衝動の権化の様な精神を持っていた彼が満身のあまり道を踏み外さず済んだのは、偏に彼の父親と母親が彼の事を愛し、愛しているからこそ「叱る」という事が出来ていたからだろう。彼もまた自分の両親の事は慕っていた、母親が誰だとかそれが罪だとかは全く気にする気にもなれない、何せ自分はもう産まれている。お袋が誰だろうが、親父が何をして周りに怒られてるのか、それでも自分は産まれながらに自由なのだから。まだ本当に幼かった頃、彼は愛し合い連れ添う自分の父や母と同じ様な大人になるのも悪くは無い、そう思って暮らした。
生粋の殺人者は最初の訓練で見事に人殺しになって見せ、濃い血を疎ましく思う分家や純粋に彼に恐怖する大人達に、彼はにやりといやらしく笑ってこう言った。「お袋のハラん中に居た時にぶっ殺しとくべきだったな」と。悪魔の子供は瞬く間に人の血を吸い、淫魔の生き血を啜り、他の追随を許さない暗殺者となり、異端審問官側の陣営に付く人間さえも裏切りを演じれば容赦無く、有象無象の区別無く消し去る様子は辺り全ての人間に冗談の端にすら上がる事の無い恐怖を与え、悪魔の子が小さく窮屈な子供の皮を引き裂き立派な悪魔に羽化した事、それを告げている様だった。彼に付いた召使が先ず最初に慣れなければならない大切な仕事、それは血の染みを落とす事。
殺人衝動にこそ我が身を預ける狂ったサイコキラー、たしかに彼は正に悪魔その物、ただそれでも彼が慕われるのは親から受け継いだ物、例え一族中から疎まれようとも愛を注いでくれた両親の愛、無償の親の愛を知っている彼は自分の懐に居る誰もに自分の持った愛を分け与えた。道を踏み外しそうになった相手をひょい、と昔自分が父にされた様に元の道に戻してやる事も出来た。終わらない過去に囚われて嘆くだけの子供を、昔自分が母にされた様に抱き締めてやることが出来た。彼は本当に悪魔と呼ぶに相応しく、我侭で、残酷で、身勝手で、傲慢で、飽きっぽく、それでも愛に溢れていたからタチが悪い、そんなに愛されては誰も彼を嫌えないのだから。親の心を持った悪魔。
赤い血、青い血、混ざり合って紫。死は平等、彼の愛もまた平等。

備考:
・両親のその後は不明
・外にも彼を慕う沢山の子分がいる



『極楽郷の頤』

所属:異端審問官
・医療部

種族:人間

外見の差異:
・両性
・人間目、人間耳
・羽無し

詳細:バカ
話せば解る、彼の命を預かって育てる役目を仰せ付かった乳母はそれを心から信じていた、どんな世代、人種、生まれの違いも英知という名の言葉の前では障害はあれども必ず最後は理解しあえて、全ては分かり合えるのだと。実に道徳的な志、しかし、そんな彼女は現在右翼主義団体の一員としてデモに加わり右手小指を切断、刑務所に居る。確かに分かり合うことが出来るかもしれない、互いの価値観を理解しあえば、ただしバカ、お前は駄目だ。何が間違ったのか別に何か特出して間違った育て方はしていない、しかし、彼はバカに育った。9代前まで遡れる左翼主義者を数年で右翼主義に変えられる、頭が悪いってもんじゃねぇ、バカの極みだった。
最早こうなっては誰も手をつけることが出来ず、どれだけ教育を施そうとも、教育方針を詰め込みにしようがゆとりにしようが無駄な努力でしかない。あまりの事に彼の両親は彼を居なかった事にし屋敷に閉じ込め、周りの使用人もこれ以上狂わされてたまるか、と彼を無視するようなり、こんな状態で生きていれば常人なら孤独に狂っても可笑しくないが、その上で彼はバカだったので大した問題ではなかった。人間が遊んでくれないなら別の物で遊べばいいじゃないの、父親の仕事部屋に忍び込んでは得体の知れない液体を好き勝手に弄り、思いつくままに効果も知らず作った薬の一つは水虫に良く効く。父親は一躍作った覚えの無い薬で時の人となった。
惨劇の後、直ぐに解った事だが、彼は大馬鹿ではあったがけっして全ての面に関して哀れな脳をしているのではなく、薬学に関しての知識は実に目覚しい物だったのだ。まあ、常人には理解出来ないのだが。それもその筈、彼は薬品や成分をほぼ感覚だけで探り当て、それぞれに自分勝手な名前を付けて呼び、完全な目分量で作っていた為、まさか子供がそんな事出来る訳無いという以前に、誰も彼の作る薬が如何して何がどうなった物なのかすら理解出来ない有り様だったのだから。更にはある程度人間の言葉に直せた部分も何をどうしたらそんな発想が出来るのか解らない、突拍子も無く、その上普通ならもっと惜しんで使うべき材料をまるで湯水の如く使う有り様。それはだれも作れないわ。
それでもやっぱりバカはバカで、何年か経ってある程度バカが治ったかと思ったら寧ろ悪化している始末、一番の問題は人の感情を察せない事。医療部の薬学部門に在籍し、その働きぶりから大いに評価されているというのに、あまりにもバカすぎて回りに誰が作った物なのかを公表する事すら出来ない。故に彼の存在だけを知っている人間は割りと多く、話題に出せば「ああ」と一般人も知っているレベルだが、本当に面と向って彼と会った人間はほぼいない。研究結果の通達も伝令任せなので、研究組織の幹部ですら彼を知らない。薬学以外の事を全て切り捨てたから其方で天才をやっているのか、流石に自分勝手な神様も哀れに思ったという事なのだろう。
馬鹿天才

備考:
・肌の色は白塗り
・2+3がどうして45になるんだ
・PCは両手の人差し指で
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