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氷室の者:思い出したことがあるかい、子供の頃を。その感触、その時の言葉、その時の気持ち。 何かを残すにつれ、何かを捨てていくのだろう。時間は待ってはくれない。にぎりしめても、ひらいたと同時に離れていく。そして…… [もの]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
頭部から後ろに向って反り返る角、先は反しの様に更に反り返っている。鰓は大きく裂ける様で、鰭部分は大きさこそそれ程でもない(年齢の割りに成長している)が肉厚、分泌液は大目。
成長しきっていないのもあるが触手部分のみ鱗が薄く、皮膚も然程強くないので柔らかい(脆い)、触った感触は軟体生物を思わせる。
副羽は鰭としての面影より、羽としての機能を強く感じさせる程に成長しており、下に付いた副鰭もまた非常に大きく長く、先は幅広で、先端まで細かく動かすことが可能。
副指が他よりも大きく、丸い。

竜形体:水竜
胴体と羽が同化した結果ひし形のシルエットを持つ姿形(マンタっぽい)に、体の表と裏に二対ある長く細い角、口元から生えた髭、先に強力な毒針の付いた長い尾が特徴。
見かけの通りに水中に強く、鰓が強化されているのでほぼ無期限の水中活動が可能。背中から尾に掛けて細いながらにまるで鉱石の様な甲殻を持ち、これは日光の光を体内に熱として蓄え、外へと放出させることによって虹色輝かせる事が出来る。
角からは生体電気を発する事が可能で、長時間の放出には向かないが、瞬間的になら海を沸騰させるほどの電撃球を放つことが可能。 深海でこれを使うと、辺りがまるで真昼の様に明るくなる。
しかし、皮膚や鱗には絶縁性は無く体脂肪が非常に沢山付いていて、これが内臓まで熱を通さない仕組み、溶岩の熱にも耐えられる高い耐熱性、耐火性を持っている。
尾の毒は相手を殺害することはないが非常に強力で、主に神経に作用し、相手の動きを麻痺させて完全に封じることが出来る。毒その物に殺傷力が無いとはいえ、身動きが全く取れない状況で獣溢れる野に投げ出されるということは、ほぼ死刑宣告。

人形体:
全体を通して硬質さが無く曲線で構成された体、女性的というよりは幼さからくる物で、そこに性別という概念は感じさせない。齧ったら確実に美味しそうな。
原型時より若干肌の血色が良くなり、膝や肘、踵等の皮膚が薄い(または角質化し易い)部分が(皮膚の下の血が透けて)赤くなっている。寒いと更に赤味が強くなるらしい。(見かけより体温は低い)
手の平にえくぼがある。

詳細:昔を思い出す。
永遠のなんと素晴らしいことか、愛にせよ、情にせよ、終わり無く広がる砂の大地を前に彼はそう考えるまでもなく感じる。自分達に許された時間は永遠で、その永久の中を好きなだけ漂う事を許される、それは正に美徳と呼ぶ他無い。
しかし、彼にも一つだけ不満な事があった、それは退屈なことだ。毎日毎日毎日毎日、産まれた時からこの光景しか知らないに等しいが、こうも毎日起伏が無いと退屈で岩にでもなってしまうのではないか、そんな事を考えてしまう程に。
家族にその事を持ちかけてみた時、家族は皆口々に「なら一緒に遊ぼうよ」と遊びに誘われて、根本的解決にならないから、と断る。永遠の縁に座って永遠の流れを見続ける事は、美しくはあるが退屈で、岩になれるというならいっそ岩になりたい。岩なら退屈も感じないだろう。
そういう時は過去を夢想する、特に思い出せる様な輝く過去も無いが、地平線に沈む夕日を延々と思い出し続ける、自分があまりにも考えすぎて知恵熱を出して倒れるまで。気が付けば夜、水をばしゃばしゃ被って頭を冷やし、また永遠の縁に座り、覗き込む。美しい、そして、なんて倦怠としているのだろう。
何が起こっても自分の倦怠は変わらずに、心の何処かが冷たく冷めている様な……話に聞く氷という物でも、きっとここまでは冷たくは無いだろう。縦穴状になった水場に飛び込んで、最も深くまで潜り込んだとしても、自分の冷えた心よりは生温い。
「退屈だと言いつつ、お前は何もしていないじゃあないか」家族が半ば強引に引き寄せ、共に砂漠に住むことになった仲間にそんなことを言われ、暇潰し代わりにもう一度自分の過去を夢想した。永遠の過去、そういえば、自分には退屈ではない状態以外の記憶が無い。退屈を振り切ろうと明確な行動をする記憶も。
自分はもしや退屈を好いている? そんな筈は無い、それならこの状態が一般的な喜びだとでもいうのか、ありえてたまるか。知恵熱で倒れた後も、また直ぐに酷い頭痛を起こす事位は解っているというのにまた、一欠片でもいい、この感情を自分が招いた物ではないという確証を探す。
結局、確証は見つからず、退屈の記憶の上に疑問の記憶が上塗りされるのを感じて、ふと思う。自分に思い出せない過去が無いこと、あまりにも平坦な過去は自分の中で途切れる事無く一枚の物として続き、自分はそうして全ての日を記憶しようとしていたことを。
正に永遠の過去、日々が同じなら自分が生きてきた年数だけを覚えていれば、何もかもを忘れてしまう必要が無い。そこにあった筈の何かを忘れて、自分自身が変わってしまうこともなく、そして、忘れていたことその物を永遠に思い出さなければ、過去に出会った全てを忘れてしまうこともない。
ああ、忘れない為に、自分は退屈でいようとしていたのか。時間はけして待ってはくれず、手を握り絞めても、放したと同時に離れてしまう……そして、永遠に忘却されてしまう。忘却の彼方に消えてしまうことは、とても悲しすぎる。
そうは思いながら、自分は自分のことすらも思い出せなくなっていた、それこそ、自分の存在すら忘却に返してしまいそうになっていた。夢想を続けるには、自分達に用意された永遠は残酷極まりなく。自分は、その永すぎる永遠の中に消えたくなかった筈なのに。
夜が明ける。
明日、そう、最初に会った誰かと話をしよう。退屈だった過去でも、退屈だったと笑いあって。
何時か、自分の永遠が過ぎ去った後、後の時代を生きる誰かが、古い思い出として語れるように。

備考:
・竜形体で飛ぶことは出来るが、体表の水分が薄れると弱る為、低空を滑る様に飛ぶ場合が多い。
・妙な口調は罰ゲーム(未だに許してもらえてない)
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