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aaaaa:未来を目指し駆けてゆく風、この胸に吸い込んだ [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性(ヲカマではない)
両性というよりは無性別チックな薄い体、人の姿と大した変わりが無い。羽が未発達で上手く空を飛ぶことは出来ず、暖を取る程度の主羽(ふわふわぷよぷよ)が生えているだけ。(副羽は物凄く小さい)
耳は下に向って垂れる様になっていて、角は頭から垂直に伸びる様子(巻きはするだろうが)
鱗だけは何故かよく発達、具体的には薄くて下の肌が透けて見える程度だが量は物凄いことになっている。密度も半端じゃないので、逆撫でしてもあまりザラザラしていない。

竜形体:まだ竜になれない

人形体:まだ人になれない

詳細:ひねくれもの
この場所で暮らしていく上で最も大切なこと、それは与えられた幸せに疑いも持たず、ただ手の中にある物だけを享受し続けること。それだけでこの閉じられた世界は楽園になる、自分達はそう信じてきたが、世界から切り離されているというには自分達の精神は心もとない。
ああ、火を眺める誰か以外はもう眠りについている。今夜は家族の中の何人が今、みたこともない外の世界を想像で描いた夢を見ているのだろうか、自分は最初こそ同じ様に夢に戯れていたが、想像をするにはあまりに持ち合わせた情報が少なすぎて、直ぐに夢を見ることが出来なくなってしまった。
彼女は昔から誰かに与えられただけの物を愛するのはキライだった、精と同じ、そこに自分の意思が混じっていないと落ち着かない。旅人から与えられただけの情報で夢を作れなくなったのは性格も起因していたのだろう、今日も一人で夢を見ない眠りの中に沈む。それとも、夢を愛でる程心がまだ成長していなかったのかもしれないが。
自分達は近い内にこの大砂漠を出て行ってしまう、別れた両親にそれを伝えるのかも解らないが、こんなに皆外の世界を望んでいるのだから、出て行かない道理が無い。きっと理由が無く、自分の様に外へ大した興味が無いとしても、抱き締めようと手を伸ばした時、自分の肩を抱く事しか出来ない孤独に慣れずに付いて行くのだろう。
朝方ケンカをしたニヤニヤ野郎が連れてきた旅人達、ほんの赤子から大人まで沢山来た、きっとこいつらが自分達を外へ連れ出す。直感で解る、これは能力というよりは女の勘というやつだ。もしくは確信、今まで来たどの旅人よりも面白そうな、別れ別れになった両親の面影(というより、要素)を持っているのだから、興味を持たない訳が無い。
案の定、兄弟達は三者三様の理由で彼らの持って来た外の風に惹かれて行く、砂漠に漂っていた砂煙に打ち払われて、代わりに冷たい風が吹き込んだ気がした。しかし、自分は未だに自分が自分の意思で決めた理由というものを、頭が割れるほど悩んでも思い浮かばない。
肝心なのは「自分は一体どっち」だ、ということ。意味も解らずに人に付いて行くだなんて、自分のプライドが許しちゃくれない。他人が知らなくても自分が覚えている限りはそれは一生自分を苛み続ける。漠然とした自覚だけがそこにはあった、彼女の勘は良く当たる、彼女自身もそれを自覚している。
暫く前から生活を共にしているこの人は、自分達に半ば強制的にこの場所にいることを命じられて、それ以来ずっとこの場所に留まっている。自分の判断ではない理由で未来を決められた気分はどうなのだろう。知っているとも、こんなことで一々悩むのは自分だけで、周りはプライドなんか然程気にしていない。ムカついたから手を伸ばして頬を抓ってやる。
音頭をとる人間が増えてから歌も踊りも格段に楽しくなった、頭に手を乗せられて無造作に撫でられると、自分が周りで笑い合っている小さな子供に戻ってしまう気分になれる。自分は惹かれていた、自分の物ではない理由でこの場所に、いっそのこと一生この時間が続けば良い。そう心の中で何度も唱えた。それでも夜は明ける。
自分が今までの人生全てを掛けて作った世界は、彼女によっていとも簡単に新しい色に塗り替えられて、少なくとそれが不愉快ではなく、寧ろ彼女の見せる色をもっともっと見ていたいと思ってしまう。それでも、自分の足で立って歩けなくなってしまう、プライドは捨てられない。自分はこのままではこの砂漠に一人残ってしまう。
最後の夜明けが来た時、自分は喉の何処から出たのかも解らないへんてこな声を上げて卒倒した、悩んでも、悩んでも、答えは何も見つからなかった。こんな時、どんな声をあげれば良いのか、それすら自分は知らなかった。誰もが寝静まった時間だったから、誰にも聞かれることはなかっただろうけど。
荷物なんて無い、旅立つ背中が小さくなる、また何処から出たか解らない声が喉を付いて出そうになって、自分の喉を力一杯抓った。痛い、傷の痛みはみるみる引いて行ったが、それでも喉を抓らずに入られなくて、目を瞑って背中から必死に目を逸らす。自分をこれ以上苛まないでくれ。
ふいに体が軽くなって、誰かに抱えられていることに気が付いた。羽ばたきの音は自分の物とは比べ物にならない速力で、目を背けていた背をあっという間に飛び越し、目の前には黄土色の砂の海が広がった。
暫く経って、旅人は回りに軽くたしなめを受けながら群れに戻り、自分は悪態を吐き、周りは皆笑っていた。自分の暮らしていたオアシスは、もう蜃気楼としても見えない。このまま戻ったとしても、子供の足では戻るまでに半日は掛かるんじゃないだろうか。
ひねくれた気分になる前に、そっと小さな声で言った。伝わらなかったなら相手が悪い。

ありがとう。

備考:
・勘が良い(女の勘的な意味で)
・蜘蛛嫌い(女性の手の平二つ分ぐらいの大きさのに顔面に張り付かれたことがあるから)
・蜥蜴好き(目から血を出すやつとか最愛)
・食べられる草と食べられないキノコの見分けが上手い
・実は動物に好かれる体質
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