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0014:奥の方まで乾く間無い程、本物の恋をしま鮮花w [あぎと]

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種族:竜人

外見の差異:
・両性
先が大きくぺこっと折れた様に垂れた角、どうやら先に外側(根元以外は神経通ってない)が成長した所為で、芯が定まっていなくて折れてしまっているらしいが、現在も外側のみ問題無く成長している。(ので、角の割りに柔らかい)
耳が頭の真横に付いており、角度的に尖った部分が尖ってみえない。足が小さい。足首が細く、まだ何処も鱗も生え揃っていないが、鱗になるらしい毛の様な物は各所に生えており、逆撫ですると少しちくちくする。尻尾の周りが尻尾の成長より尾羽の成長が早くて兎の尻尾状態。
羽は小さいが骨が太いので将来有望らしい。触角ふさふさ。

竜形体:まだ竜になれない

人形体:まだ人になれない

詳細:蜃気楼の友達。
知っているだろうか。砂漠の砂は驚く程サラサラしていて、手に掴もうとしても指の間から次々に落ちて行く上、あまりの熱と夜の冷に黴菌一つ存在していない。よく見なければ何も無い砂を掘って時々見つかる物、これが砂漠の薔薇、砂の結晶。
自分が砂漠の薔薇を拾った時の使い道、蹴る、自分はコレを蹴るのが得意だ。勿論、力の加減をせずに力の限り蹴るだなんて、そんなマネは誰だって出来る。そんな乱暴に扱えば砕けてしまうが。自分が得意なのはこの脆い砂の結晶を砕かずにずっと蹴り続けること、まあ、様は石蹴りと同じ。
最初に見つけたのは歩いていたら足の裏に刺さった時、怒りに任せて蹴ったら簡単に砕けたのを見て、何故か残念な気持ちになった。次に見つけた時は足の裏は無事だったが、手の平に刺さった、砂漠の薔薇は自分に何か恨みでもあるのか? 血がうっすら滲んだそれを拾い上げて見ていると、どうにかしてこれで遊べはしないか、そんな気持ちがふつふつ湧いて出る。
結晶の一部を千切る、ボロボロに崩れて二つ取れてしまい、薔薇の形ではなくなった。飽きるまで弄って遊ぶ頃には、形を失いつつあったそれは、一倍最初の芯だけになっていて、これは蹴ってみてもすぐ壊れたりしない。面白くなって蹴る、もう一度蹴る、ずっと蹴った。
朝起きて気分によって食事をしたら、最後に結晶を置いていった場所へ飛んでいく。大体は埋まっているので掘り起こす。そしてまた、道なんて無いが砂の海を真っ直ぐ、結晶を蹴って進んで行く。飽きたら結晶を置いて帰る、朝になったらまたやってきて……大体はその繰り返し。二、三日放っておくと、また結晶が伸びて掘り起こす時に手に刺さるのが難だ。
その日も結晶を蹴った、蹴り転がった結晶の行く先を目で追った時、自分は驚いて後ろに半歩退く。気が付けば目の前の砂漠は無くなっていて、青々と命が溢れかえる緑色の丘と白い岩が突き立った山が広がっていて、砂の中では何の違和感も無かった砂の結晶が浮いて見える。
これが自分達が近付く事を止めた外の世界、砂の途切れた場所に立ち尽くしながら、幸い回りに同族がいないことを安堵しながら、結晶を拾おうと手を伸ばす。さっさとこの場所から逃げたかった、砂に埋もれた自分を「場違いだ」とでも罵りそうな外の世界、正直、恐ろしくてたまらない。
だが、緑の上に転がった砂の結晶にどれだけ手を伸ばしても、小さな子供の手は届かなかった。膝を付いて限界まで手を伸ばそうとしても、冷たい土に膝が擦れた時、恐ろしくなってその場から飛び退いた。気が付けば自分は逃げていた、長い遊び相手だった結晶を置き去りにして。何故かその夜は眠れなかった。

砂漠の薔薇なんてまた新しいのを探せば良い、でも、その日で結晶を蹴る遊びは止めてしまった。旅立ち、砂漠の縁に立つのはこれで二度目、この道を通る事を進言したのは自分、理由は簡単だ、あの場所には自分が置き去りにした結晶があったから。今はもう、無くなってしまっているのだろうが。
一歩、冷たい土は思っていたよりずっと硬くて、それでも自分を拒絶して砂漠へ押し戻したりはしない。今なら何故自分があの結晶を失ったことをあれだけ後悔していたか、良く解る。そう、自分はあれにいもしない友達の影を見ていたのだ、朝起きて、遊びに行って、日が暮れたら帰ってくる、そんな蜃気楼を。
予想通りに結晶は雨に溶けてしまったのだろう、残ってはいなかったが、思ったよりもずっと悲しくは無かった。自分でも、もっと泣いたりするのではないかと思っていたが、緑色の上に転がってた結晶を思い浮かべても涙が浮かんでくることはない。不思議そうな顔をして自分に振り返る旅の仲間、追いつくよう緑の上を走る。冷たい、でも悪く無い。

自分は幻想ではない友達も、家族も、仲間も出来た。
それでも自分は忘れないだろう、幻想の中で幻想を誤魔化してくれた、優しい結晶の思い出を。

備考:
・外に出てからはとりあえず土を丸められることに感動していた
・口調は罰ゲーム
・体力無くて走るの苦手
・石蹴りと石投げが得意
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