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三つ子:わたしは貴方の蛹、羽化する筈だった蛹、今は皮だけのさなぎ [子]

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所属:異端審問官
・フリー

種族:人間

外見の差異:
・両性
・人間耳、尻尾無し
・背中の刺青無し

詳細:異端審問官の稼ぎ頭、ほんの一筋の異端を歩く朝焼けの三つ子
それは濃い血が成した不可抗力的業なのか、それとも彼らは最初からそれをするべく産まれて来てしまったのか、惨劇前の異端審問官にいた仲の良い三つ子、二人が男、一人が女、元から父親が娘を犯して子を産ませるような家系、彼らが男女の関係となるまでは然程時間は掛からなかった。朝起きては睦みあい、昼になっては互いにじゃれあい、夜になっては一日を労いあう、三人とも特に誰が恋人だとかそんな事は気にしていなかった、元から一人だった人間が二人に別れて男になった人間と、同じ子宮の中で混ざり合って育った人間、大した垣根は無いだろうと三人は考えて、三人が揃ったささやかなこの幸せは永遠に続くのだと信じて疑わなかった。
同じ血が交わりあえば当然子は出来難くなるが、彼等の場合はこの時は幸福にも、後には不幸にもその例を漏れてしまい、三人の間には愛の結晶が産まれてくることになった。父親は事実上どちらなのかは解らない、それでも三人が慈しみあった結果産まれてくる子なのだから、絶対に愛する事が出来る、産まれてきたら真っ先に「ありがとう」と感謝の気持ちを素直に言って、次に愛していると言おう、そう誓って。しかしその淡い誓いは守る事が出来なかった、敵組織との交戦で屋敷から行方知れずになった妻、やっと見つけた血塗れの浴室で冷たくなった愛する人とその人からのびた臍の緒で繋がる六人の赤子、一人と呼ぶべきなのか二人と呼ぶべきかも解らない腰で繋がったままの子、今でもって彼女は目を覚まさない。
たった一人での出産はどれだけ心細かったどろうか、痣だらけの体は必死に自分の子を守ろうとしたということなのだろうか、見ればまだ胎盤も出てきていない、どうして自分達は間に合う事が出来なかった? 理由なんて無い、ただ一つの真実は自分達がもう永遠に一つにはなれないということで、産声を上げる我が子を抱き上げる気力さえ残っていなかった。その後、遺体は回収されて骨の埋まらない墓に名が刻まれ、後には彼女の忘れ形見である筈の我が子達だけが残ったが、ベビーベッドに無防備に眠る子を彼らは抱き上げる事が出来なかった。彼女が死んだ理由ではないとは言え、直接の原因は出産に耐え切れなかったから、つまりこの子供がいなければ彼女は死ななかったというのに。何故自分はこんな恐ろしい事を考えているのか、本人達も咎を背負わせるにはお門違いだと自覚はしていたが、どうしても憎む事が止められない。
何度も小さな頭を潰してやろうかとも思った、首をへし折ってやろうかとも思った、自然と狂気に取り付かれた二人は疎遠になって別れ別れになり、次男ということで跡取りを必要としていなかった一人はくっつきの子供と同じ胎盤で繋がっていた黒髪の子供を預けられる事にはなったものの、彼等を自分の屋敷の奥深くに閉じ込めて二度と会いに来る事は無かった。世話役を毎日寄越しはしたが、彼にとって毎日が苦痛でしかなかった、我が子への憎悪が消えない、それでもどうして他の一族の様にケダモノの如く殺してしまえないのか、白いくっつきが死にそうになったからといって体を二つに分けた事も、放って置けば死んだはずだというのに。その後、彼は惨劇の日に至るまで我が身を呪いながら暮らしたという。最後まで行き場の無い感情を抱えたまま。
それから惨劇によって大量の血が流された後、当主は先々代当主の葬儀に来られなかった末裔こそが本物の一族に相応しい、と散らばった純血の子を探し、最初に見つけたのが白と黒の三つ子。地獄から呼ばれた最初の住人。暗闇の中に潜み続けていた彼らは最初こそ闇の中から出ようとはしなかったが、じきに自分がすべき事を悟ってか表に出る様になった。人間の形はしていても何処かが外れてしまった様な、彼らは彼らだけで完結して産まれて育ってきてしまったから他の血の流れから少し外れてしまったのだと、誰もがそう感じた。それでも彼等の親が持った因果は子に巡る事は無いだろう、彼らその物がその事事態を完璧に忘れてしまっている上、それからも外れたから今の彼らがあるのだから。
人を憎む事が止められなかったから悪魔になったのか、悪魔になってしまったから人を憎む事になってしまったのか、今となっては深き血に全てかき消されてしまったが。

備考:
・白二人は日光の下に出られない体質
・発見されるまで『世界とは自分達三人だけが存在する暗い箱』と思っていた為、それまでは『人間』という概念さえ知らなかった。
・異端審問官は総じて血が濃く、末裔に至っては末裔同士で子を成す事は不可能とされていた
・仕事は命じられればなんでもするが、基本的には戦闘員としての側面が強く、夜は彼等の時間
・命令外の成果を上げる、何等かの発見をしてくる、緊急時の突破口を増設、珍しい物を拾ってくる等、異種としての片鱗は節々に現れてはいる

生生流転の子:貴方は良いもの? それとも、わるいもの? [子]

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所属:異端審問官
・長距離戦闘要員
・食料品管理

種族:人間

外見の差異:
・両性
・目は人間目、色変化無し
・耳の端が小さく尖っている

詳細:異端審問官のお嬢様、小さなレディ
天真爛漫で無邪気を絵に描いた様な性格をしており、良く出来たお人形の様な容姿も相まって一族から愛されるマスコット的存在、よく人の膝に乗って甘える。可愛いだけでなくやれる事もそれなりにあり、特にスナイパーとしての腕前は正に鷹の目と呼ぶに相応しく、目測だけで距離を測り正確にヘッドショットを決めることが出来る。今日までに殺害した人数は年齢を差し引いて一族トップクラスに匹敵し、正に百人から先は覚えていない状態だが、一番の理由は本当に小さな頃からやりすぎて慣れてしまったからだろうか。なんとも恐ろしい話である。
小さいなら小さいなりに屋敷内でやるべき職務はあるというのに、どういう訳か前線での戦闘を選んだ理由は、勉強よりも人殺しの方がラクで面白味があるかららしい。確かに将来役に立つかも解らない数式を無駄に覚えて齷齪するよりは、人間百人の頭を吹き飛ばして英雄になった方が明確に形に見える分、慣れた人間にとってはラク。これらは残酷性は元より、どちらかといえば退屈を嫌う子供の精神に近く、勉強の様な答えや過程が一つの物として定まっている事よりも、そこまでのプロセスに羽陽曲折のある殺人の方が退屈が無く、故に精神に良く馴染んでしまったのだと思われる。
勉強が嫌いなのではなく、明確に形に成らない物が嫌いなだけで見かけに寄らず食料品に関する知識はそれなりにあり、あくまで手伝いという立場でしかしないが食糧管理も担当して、趣味の内には料理がある。他に付いて行って要請を受けた保存食なんかを送る仕事も出来るが、やっぱり屋敷内管理的意味合いの食糧管理の方が好き。コチラも自分達にダイレクトに答えがやって来るから。因みに、幽霊は本物が姿形を現すなら話は別だが見えない状態の物なら信じていない、つまり彼女はまだるっこしい事が嫌い、ということ。
外見が年よりも幼く見える為、それを明確に口にする人間は少ないが、若干ながら知恵遅れを患っている。とはいっても知能指数その物は少々他より遅れている程度の物、しかしその少々の分だけ情緒不安定な面がある。これらは常に、というよりは発作的な物に近く、不安定になると感情の制御がきかなくなり怒りが納められなくなる、時折悲しみが暴走する時もあるがどちらにしても押さえが利かないのは事実、本人もその間は部屋に篭って一人になりたがり、変に煽ればそれが煽った人間の最後の仕業になることだろう。ちびでも狂暴。
将来の夢は綺麗なお嫁さんになること、白いウエディングドレスが着たい

備考:
・日常的に精神安定剤を服用

・耳が尖っているのはただの耳骨奇形、血液検査済み
・一時期、それを追求されて騒ぎになった事があったが、当主の鶴の一声によって全ては黙った。
タグ:なまこ

名無し:地獄の沙汰も金次第、って本当に思ってる人は少ない [子]

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所属:異端審問官
・会計

種族:人間

外見の差異:
・両性
・耳とか尻尾とか無し
・体の節無し

詳細:全身に刺青を彫り付けた守銭奴
一族の滅びの後に産まれた第二世代であり、他とは違って自分の出自を知っているらしいが口に出す気は無い。だが彼は他の一族と決定的に違う、そうだ金を払えば聞かせてくれるだろう、その他にどんなことだって、此の世の終わる瞬間までも金次第で教えてくれる。ただし、情報を手に入れた代償として何が起こっても知らない上、知れば地獄を見るからこそ隠された真実は隠されたままにしていなければならないのだ、だからこそ彼は全てを簡単に売り払ってしまう。
どうにも金銭への執着が薄く(それ所か浮世離れしすぎた奴までいる)金を湯水の様に使う連中の中では比較的一般的な金の単位態々考えて頭に浮ばせるのではなく、直感での物を肌で知っており、金は命より重いことも良く理解している所為で世間一般の守銭奴と呼ばれる部類の人間に入る。その姿勢から幼くして主に物資購入時に置けるの会計を任され、兵器開発等に必要となる莫大な金額の動き行く様を見続けてきたが、それでも感覚が狂わないのは寧ろ狂っていないというより、周りに合わせてやっている、という感覚。周りは所詮は貧乏人しかいないのだから。
産まれて直ぐに眼病と神経痛を患い、以来徐々に視力が弱まり、同行が焦点をあわせると焦点の中心に影が出来る(対象物だけが見えない)という奇妙な状態にあり、突発的に来る影の所為で常に羽団扇を持ってその骨の間から物を(骨を通して少し焦点をずらす)見ている。視力は現在進行形で下がり続けているので、その内目暗になる可能性大。神経痛は気圧の変化や精神の向き様に敏感に反応し、時に四肢の運動神経を正常に働かない物にしてしまう事もあり、その様子は端から見るとカキカキと人形の動く様に見える。
以上の事から運動能力的には非常に絶望的で、本人もそれを望んで裏方の仕事に甘んじているが、実は「焦点に影が出来る」特性を利用して(点の先には対象がいるのだから)点に向っての遠方からの狙撃、時にライフル銃ではなくサブマシンガンでの狙撃、なんて芸当をやってのけるが、本人がそれでも裏方を望み続けるのは一重に自身の保身の為である。自身の血統である一族が大切では無い訳じゃ無い、ただ家族だからこそ絶対に生きて帰って来る、というちょっとした甘えがあるだけで。
家族曰く「豆狸」小さくても狸は狸、化かされる人間は後を絶たないのは、心に隙を持った人間がそんなにも多いからか。

備考:
・実は日本かぶれ
・戦闘服以外はボロしか持っていないのでみすぼらしい
・昔は監視役として活躍していた
・刺青は屋敷の家令が彫った物らしい

0012:私は生まれた瞬間立っていた [子]

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所属:異端審問官
・審問長

種族:人間

外見の差異:
・両性
・特に無し

詳細:神の代理人を名乗る幼き審問長、末裔で第二世代
ある年の審問所、公開神判が行われた時に一人の女が引き摺られるようにして被告席に立たされ、崩れ落ちる事が出来ないように両手足を鎖で吊るされた。異端審問を受けた人間は何人も帰ってこない、誰もがそれを一種の日常としてやりすごしていた時、悪意と観客意識のみの蔓延するその場で一人だけ彼女を弁護して戦った人間がいた、それは彼女の母親だ、たった一人だけ警備の目を掻い潜って無実の娘を助けようとやってきた。途中、酷く体を打ちつけた所為で足を引き摺る母は、拷問によってボロボロになった娘の体を抱き締め、縋るように娘の潔白を懇願した……が、有罪、不法侵入した母も有罪、二人仲良く拷問死、獄死。
審問長というのは、神へと自分の純潔を証明した純血の異端審問官一族にのみ許される、異端審問。その悪意を持った検事のみ、弁護士の居ない裁判の中でいう所裁判長を異例の若さで任せられている。一族は実職主義とはいえ、ここまでの若さで現職に付いた人間は未だ嘗て居なく、それは当時の人員不足も否めないが、実際は審問長という立場こそ融通の聞かない子供にやらせた方が良い、という当主の判断からである。昔は審問長こそが当主を兼任していたが、現在は審問長、という役職が出来上がっている。
現在国外には純血一族は生存していない為、彼もまた分家の一派なのかと思えばそうではない。惨劇によって滅び去った一族の建て直しが始まってから、本家の屋敷内で産まれた身であり、その異質なDNAが潔白を証明している。しかし、屋敷に集まった生き残り達の中には、大凡、子を産める歳をした人間は一人もおらず、彼の出自は解っても謎は多すぎて数え切れない。こういった子供は何人か一族に居るが、全ては闇の中、探りを入れようとした人間は翌日にはドブ川に浮くだけである。
自らを聖なる裁定者、神の代理人と信じて疑わず、一族内でも非常に傲慢な態度をとって暮らし、それは勿論回りの他人にも同じ。自分の意思=神の意志、という曲がった発想をして、自分の一度考えた事は何が何でも貫き通さないと気がすまない。そういった所、マニュアルに書かれた事態以外を認めない、実行しない、対応をしない、容赦をしない……というよりは、最早容赦という領域を越えた厳格さこそ、異端審問長に最も相応しいとされる由縁。考えないからこそ無慈悲な裁定で出来、忠実であるからこそ価値。
信仰は愚かなる人間の為に、異端審問とは民の不満を生贄ごと火にくべる儀式、そこに正義も悪も無く、慈悲など豚の餌だ。

備考:
・仮面の下は顔の皮膚が全て溶けて無い
・審問長という役割が独立したのは、ほぼ彼の為で、当主は相当無茶をした
・末っ子

蟲飼の子&十六夜の子:終わり方が違うだけでもカッコって違って見えるのね。 [子]

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所属:異端審問官
・切り込み隊長

種族:人間

外見の差異:
・両性
・実は金髪(銀髪の桂)

詳細:全盲のスナイパー、限り無く境界の曖昧な主人格
彼が産声を上げた時、周りで助産をしていた助産士も産み落とした母すらも、彼らを抱こうとはしなかった。苦痛の覚悟がままならなかった幼い母の希望した無痛分娩の末に産まれて来た赤ん坊は、人の形こそはしていたがある筈の四肢が腕一本しか無く、目が一つしか無い化け物の双子だった。異端審問官一族の血統は呪われている、父子相姦の末の子としてはありえる話、現実をもみ消したい周りの都合によって彼らはまだ脈打つ臍の緒を切られ、寒空の下に投げ捨てられる憂き目に会う。放っておけば死ぬだろう、誰もがそう思って。
数年後、また形ままならない子を次から次へと産み捨てては自身の手で殺していた一族の女が凄惨な拷問の末に殺された、幾度と無く実の娘を孕ませては産ませて楽しんで繰り返していた男が精神を砕かれた状態で発見された。恨みを買うには余りある人間、犯人は見つからなかった。それから更に一年後、惨劇によって古き時代が滅び去った一族の元に「あれをやったのは俺だ」と、一人の幼子が馳せ参ずる。義肢に一つ目の子が。その時の彼がどちらの彼だったのか、それは誰にも解らない。
舞い戻ったからには働かなければならない、白く濁った一つ目の自分では書類の整理は出来ない、屋敷内の管理は無謀、そうなれば更に無謀な戦いに出なければならなく、彼はそれを自分で選んだ。新たに繋いだ通電義肢によって一般の人間と何ら遜色ない運動能力を誇るが、何かとデリケートな機械故に気は使っている、が、よく壊して戻ってくる。最初の義肢破損の原因は勝手に仕込みを入れたお陰で強度が弱くなっていた事、その、気は使っている、はあまりアテにならない悩みの種。
一種の当て馬ともとれる様な、相手の懐に完全に踏み込んでの接近戦闘は、自分自身の体が傷付く事を厭わない確実な殺人をする。真価は息を殺しての中距離スナイプ、経験則による確実性は正に神掛かったといって過言ではなく、人魔問わず誰一人として逃れた事は無い。全盲の身でどうして距離が測れるのかは不明だが、盲目の身は盲目の身なりの勘があるらしく、分析は不可能。ただ科学的立証は無いが、神経伝達能力が異様に優れ、音が立体に見えているらしい。
口は悪くガサツ、育ちも悪く他人に対してやさしくも無い……が、不幸。

備考:
・副人格の正体を本人だけは知っているらしい
・過去を知る人間は一族に多いが、屋敷に来る以前の事は特に話さない
・殺す、と言ったら殺す
・復讐は何ら悪い事ではないと考える




所属:異端審問官

種族:人間
(本体の副人格)

外見の差異:
・腕の数は一対

詳細:限り無く境界の曖昧な副人格、理性的で狂気的
ある頭の少しイカれた売春婦が仕事帰りのヘドロ臭い道を歩いていた所、丸裸のまま打ち捨てられた双子の赤ん坊を拾った、二人の子の内一人は既に寒さにやられて臍の緒から血を流しながら哀れにも息を引き取っていたが、もう一人の子はその後の自分の運命を知ってか搾る様に泣いているのを見て、育ての親に14の時に売られた売春婦はその子を気紛れに拾って育てる事にした。少なからず、産まれて間も無く片割れと死に別れ、親に見捨てられたという境遇に共感を覚えたのかもしれない。臍の緒を縛る。
赤ん坊は育ち子供になった、欠けた物こそ多いが、取り立てて素晴らしい才能がある訳ではなく、欠けた物の所為で容姿も美しいとは言えず、時折壁に向って話をするという妙な癖。神の思し召しで授かった子とは思っていない、子供なんてそんなもんだろうと思っていた彼女は特に何も気にせず、身動きの取れない我が子を客の居ない時は膝に乗せ、日がな一日髪を梳かしてやって暮らす。ただ一つ、客が来た時にまるで値踏みする様な、そんな目をする事以外は何も気にならなかった。
木で作られたそれは不便そうだったが、努力をして立てる様になった子は嬉しそうに笑って、その時初めて自分は母になったのだと自覚をする。それから暫く経った頃、その子は突然姿を消してしまう。ここいらの界隈では子供が居なくなる事なんてよくある事、浮浪児なら特に、だが母が居るのならそうは済まされない、彼女は八方手を尽くして探した……結果は芳しくは無かったが、何と言う事は無い、その子は二日と半日の後、元気そうに自分で歩いて帰って来た。何処で何をしていたのかを聞いても、本当に何も知らない様子、もう二度と勝手に何処かに行かない事を誓わせ、二人はまた元に戻る。
それから一年後、彼女の命運は遂に尽きた、ここいらの界隈に住んでいるという事は変態野郎に殺されるか、ハンターの流れ弾に撃ち殺されるか、淫魔の子供を産んで異端審問に引っ掛かって獄死か、その三つの内のどちらかだろうと思っていた……死因は何と言う事は無い、ただの風邪。ちょっとした無茶をした結果、彼女は我が子に見取られながらあっけなく、死んでしまった。棒では歩き難いだろうと買った義足と、ちょっとした小金を残して、沢山の未練と我が子を信じる希望だけ残して。
後に残ったのは独りの子供、自分の正体も解らないが、もう一人の正体だけは知っている子供

備考:
・死体は片割れの手を握って死んでいた

黄泉坂の子:医者は人を助ける物だよ。 [子]

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所属:異端審問官
・医療部

種族:人間

外見の差異:
・両性
・人間耳
・白目の色は普通
・触覚、尻尾は無し
・額に十字が無く、過ぎり傷

詳細:一族の医療を一手に引き受ける万能医師
ただ開発して放置するだけの人間が多い研究機関内、珍しく開発された技術の正しい応用方法を考え付く発足力を持ち、普段は一族の医療を大小問わずに行っているが、必要とあらば要請を受けたハンターの治療等を請負い、大体の死ぬ程の傷や病なら軽く治してみせる。だが、身内以外は法外な値段を要求する為、おいそれと呼べる訳では無い。
金の使い道等とくに考えておらず、本人も金銭に関する興味があまり無いが、金を取るのは相手にとっての戒めのつもり。もし要請された時、目の前に不慮の事故で怪我をした人間が居たのなら、其方を先に無償で治療してから自業自得の怪我や病気の方へ行く。助けるのなら自分の良心が満たされる方が良い、相手の表面上の事しか解らなくても、善意を施すのは自分の意思なのだから。
目的の為なら殺戮も厭わない、寧ろ殺戮を生業とする集団に所属する中、本人はその事に関して良い感情を持ってはいない、滅多に前線には出てこない引き篭り。曰く、「医療は人を治す技術であって人を殺す技術ではない」ただそれでも、我が身可愛さに医療品を武器として使用した経験もあり、独断で薬物同士の反応によって即席で作った毒ガスを散布した事もある。
吐く物様は方便。家族を売った経験は今まで一度も無いが、感情の移り変わりが激しく、手の平返しも素早い。全ては自分が生き残る為。ただ、生き残る崇高な理由も特には無く、ただ死にたくないから生きているだけであって、彼の善意は彼自身の心を満たす物に過ぎない。この時点で人間として破綻した人間ではあるが、この偽善に救われた人間は数多い。
今日百人殺した直後に一人の乞食に施しをする、家族を守る代償が世界全てだったとしても、それが自分自身に価値のある物だと判断したのなら躊躇いは無い。何せ、それ以外に全ての物に価値なんてないじゃあないか。
偽善者を装った偽悪者、良くも悪くも凡人の心を持った天才。

備考:
・個人で闇医者をやっている、方針はそのまま
・慈善事業で炊き出しなんかも
・医者というだけあって、血液には殺し屋以上に慣れている
タグ:黄泉

双子:忘れてしまえ [子]

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所属:異端審問官
・両性
・接客対応
・兵器管理

種族:人間

外見の差異:
・触手無し
・首の後ろのチップ無し
・耳は人間耳

詳細:双子の執事の片割れ、陽気で口が軽く、情緒不安定精神異常
誉れ高き異端審問官邸の執事として雑務一般を務め、本人もまたその血を継ぐ執事、まるで精密機械の様な仕事は正確且つ迅速で、前線へ立つ人間のとっての縁の下の力持ち。他ハンターへの武器や物資の提供、配分等も均等に行っており、疲れを知らない働きぶりは誰からも重宝されている。何よりも、他、特に彼の弟とは違う嫌味たらしさが無いのが秘訣か。
文字通り、というか見た通りの24時間フルタイムで働けるのには訳があり、実は彼は疲れない体を持って居るのではなく、自分自身の疲れが解らない精神をしているから。それ所か、自分自身の感情も他人の表情が何の感情をしているのか、それすらも解らず、本人は自分には感情が無いのだと語る。だから常に笑っている、笑い顔の真似をして、全てを誤魔化す。
実は別に感情が無い訳ではなく、幼少期の過酷を極める訓練によって精神に異常をきたしてしまっただけで、本人の中にも感情らしい感情は生まれている、ただ、疲れを感じないのと同じ様に自分の感情を『感情として』感じていないだけで。精神学上それが解った所で、本人がそれを自覚しないのなら治療の仕様が無く、今も彼は自分には感情が無いのだと笑っている。
接客対応の際は少々場違いな程の明るさと気安さで、彼を見た事のあるハンター達からはナメられているが、一度前線で戦う姿を見た人間は彼を心底気色悪がるという。優れた戦闘能力を買われ、要人の護衛等を請け負う場合も多く、彼の無機的な正体を知る者は少なくは無い。知られて、嫌われ、哀しいと思う事すら出来ない。
感情が無い、という状態だというのに感情の真似が出来る、彼はその矛盾に気が付けない。

備考:
・屋敷に引き篭もり、仕事以外では産まれてから殆ど出た事が無い





所属:異端審問官
・接客対応
・屋敷内管理

種族:人間

外見の差異:
・両性
・触手無し
・人間肌、人間耳

詳細:双子の執事の片割れ、二階から嫌味
技能的には非常に優秀、確実な仕事ぶりは屋敷内管理を任されるに相応しく、本人も誇りを持って仕事してはいるが、精神的に最悪で嫌味ったらしく他人からは嫌われている。それを人事は知ってか知らずか、査定時全般の接客対応係に任命して今も仕事をさせている為、仕事の結果は問題無いが彼に会うのが何よりも嫌、というハンターは多い。
彼にとって査定にやって来た人間、もしくは屋敷内に上がりこんでくる人間は全て下郎、例え仕事の結果が如何であれ重箱の隅を突く様な嫌味を吐き、他人を不愉快にさせるのが得意。本人は無自覚でやっているのではなく、最早嫌味は趣味の領域までいっている為、他人が不快そうな表情を浮かべるととても嬉しくなる。そんな物はどうでもいいが、嫌味の一環としてセクハラも完備、最悪。
立場上は異端審問官邸の執事、という体裁をとっている為、誰に対しても様付け、敬語を自主的に行ってはいるが、口調が滑らかなだけで客人に道を空けさせる、明らかに馬鹿にした程丁寧な説明をする等、慇懃無礼且つ不遜な態度に変わりは無く、寧ろ相手の精神を逆撫でする要因となっている。この圧迫対応は一応なりとも不快感を植え付ける事によって、物知らずな愚者を寄せ付けない為、という理由付けが一応はある。
そんな彼の此の世で唯一の肉親であり、本人も今までがありえない程の愛情を注ぐ、双子の片割れが居る。心に障害を負った片割れに対しては立場は同じだというのに、まるで従者の如く膝を折り、常に世話を焼き続けて暮らしている。片割れは彼にとっての全て、一族の中で完全に血の繋がった完璧な唯一の繋がり、その片割れは今病気なのだから、助けなければ。その献身は狂気の域に達しており、今まで片割れの治療の為に多大な犠牲を、作らなくていい犠牲まで作って見せた。
昔彼ら双子がまだ訓練を受けていた頃、彼は自分の片割れに何もしてやれなかった、壊れていく半身を見ながら自分は彼を生贄に生き延びてしまった、その罪科の念、罰を与えられる事を望みながら誰も痛みすら向けてこないという現実は彼の精神を少なからず歪めたが、今はそんな事関係無く嫌味に勤しも。献身の心を磨いている。

備考:
・屋敷に引き篭もり、仕事以外では産まれてから殆ど出た事が無い
・正統血統者である二人が執事をしているのは精神療養の為
・とても働き者、仕事好き

真実の子:無知は祝福なり [子]

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所属:異端審問官
・無し

種族:人間

外見の差異:
・尻尾が無い

詳細:屋敷内を徘徊する謎の白黒な人、正体不明
DNA鑑定の結果一族の人間と思われるが、どの血統の人間か解らず、特に何か職務をする訳でもなくだかといって反逆する訳でもなく、口を聞くことも無く、ただただぼんやりと屋敷内を徘徊している。ある意味の景色、空気人間。
顔面に目が三つもくっついてはいるが、その内見えているのは青い目だけ、肌が半分黒で半分白なのは半身の色素が抜け落ちてしまっているかららしく、白い方の身体能力は弱い。長い髪をずっと引き摺っているが、引き摺り続けるとどうしも埃が付いてしまうので、暇な誰かが持ってやらないとモップになってしまう。
この屋敷に住んでいる事も、一体何処からやってきたかも解らず、惨劇以前から存在した事は確かだが、どうやって生き延びたかも解らない。本人が全く口を聞かないのがネック、声帯に異常は無いのでただ単に喋らないだけ、拷問しても喋らなかったらしい。
神出鬼没を地で行く為、何故か鍵のかかった扉の中に入っていたり、カードギー等ピッキングが不可能な扉の中にも進入しては、特に意味も無く壁に向って立っていたりする。とりあえず無害。

備考:
・常に徘徊していて、廊下で寝ている事が多い
・地下室に彼の部屋と思わしき物がある

唯我独尊の子:我が前に敵無し [子]

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所属:異端審問官
・当主

種族:人間

外見の差異:
・額の複眼が無い
・耳は人間耳

詳細:淫魔討伐組織の中核を担う、異端審問官が若き当主。
異端審問官の最盛期を作り出した先々代当主の指名によって、当時十歳という異例の若さで当主の座に付き、当主の座に付いた三日後に『青い血の惨劇』に巻き込まれるものの、奇跡的に生還する。
生粋の支配者気質、冷酷で無情ではあるがある種のカリスマを持ち、一時衰退した一族を自らの手腕一つで現在まで引き上げ、一族の人間からは一種の崇拝に近い慕われ方をしている。
管理を預かる屋敷に来客が来ても、伝言を部下に伝えて本人が直接顔を出すことは稀。国家に仕えるハンター達ですら、彼の顔を直接見た人間は少ないため、その事に不信感を覚える者も多々あるが大体は何も出来ない。何もさせない。
国家の中には彼自身の立ち振る舞いや若さなど、理由様々に彼の事を叩き潰したがる人間も多いが、本人が本人の力で手に入れた政財界へのパイプが強すぎて、最早彼の持つ権力は政治家数人の権力や武力で如何にか出来るレベルでは無い。逆に彼を慕う人間は彼を嫌う人間以上に多い。
淫魔討伐に関しては特に感情は無く、『淫魔が滅ぶ=異端審問官が不必要になる』という答えに当たっては、国内の淫魔を育て血を守るハイインキュバスと秘密裏に和平を結ぶ。
人間の心の隙に付け込むのが得意で、心に隙の無い人間でも隙を作らせるのが得意、特技は洗脳。世界中に奴隷が居る為、それらに他国の異端審問官を見張らせ、法王の動向を影から操ったりもしている。バレたら国際問題だが、バレなければ何の問題も無い。
あまりにも精神が超越の域ま達してしまっている為、精神鑑定をした精神科医が逆に影響を受け洗脳されてしまう程である、深遠を覗く者は……一言で語るのならば、精神的超人。

備考:
・現在の最終目標は自らの国を持つ事で、予定としては十年後
・家に居ても家族の前にすら滅多に出て来ない

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